「Hey!カロリーQueen」トラックリスト
「Hey!カロリーQueen」初回限定盤はCDとDVDのセットです。収録内容は次の通りです。
CD
1.Hey!カロリーQueen
2.朝焼けと約束の歌
3.Hey!カロリーQueen(Instrumental)
4.朝焼けと約束の歌(Instrumental)
DVD
1.Hey!カロリーQueen(Music Video)
出典: Hey!カロリーQueen/竹達彩奈
通常盤はCDのみで、収録内容は初回限定盤と共通です。
「Hey!カロリーQueen」MV
魔法少女的衣装と小道具で装う竹達がパステルカラーの世界で歌います。登場するキャラクターたちもかわしらしいMV。
竹達の衣装には甘いお菓子があしらわれています。この姿はまさに「カロリーQueen」と言ったところでしょうか。
「Hey!カロリーQueen」歌詞解釈
キミを味わいながら fall in Love
甘いチョコの香り 口の中でふわり
初めてのくちづけは カカオマスね
ラムネはまだはやい 刺激的なしゅわり
だめだめ でもでも ああがまんできない
禁断の果実ねイェイイェイ
カラフルCandyつまみ食い
あたまの中 何か出てる
主にセロトニン
出典: Hey!カロリーQueen/作詞:やしきん 作曲:やしきん
歌謡史上、これまで「カカオマス」という単語が用いられた歌詞があったでしょうか。
みなさんご存じの通りカカオマスとはカカオ豆を加熱・加工して外皮と胚芽を除去したもので、ココアパウダーやチョコレートの原料となります。
カカオにはポリフェノールが含まれていて、血圧を下げたり美肌効果があったりしますので、適量を摂取するといいでしょう。
しかしカカオマスを経てチョコレートになってしまうと、糖分が心配されます。実はカカオはそれだけだと、とても苦いのです。
チョコレートは甘く、しあわせの味です。しかし、初めてのくちづけは「チョコレート」だとは言わずに「カカオマス」であると歌っています。
この歌の主人公=カロリーQueenにとって、初めてのくちづけはただ甘いものではなかったようです。でも刺激的なラムネよりは近いところにあるという、微妙な距離感がここでは表現されています。
カカオマスの味は禁断の果実に等しいと言うのでしょうか。けれども有頂天であることは間違いないらしく「イェイイェイ」とゴキゲンです。
その上で「Candyをつまみ食い」……甘いだけではなかったカカオマスの口づけの後で、甘いCandyを口に含んでいます。カカオマスは、ちょっと進んだ大人風味のようです。そこに甘みをプラス。
初めてのくちづけと甘いカラフルCandyのおかげでセロトニンも分泌されます。セロトニンは気持ちを落ち着かせ、気分や睡眠を安定させます。しあわせになるのです。
初めてのくちづけは、しあわせを呼ぶものでした。
Hey!カロリーQueen
乙女のウエストには
愛と夢と欲望がのってるの
Hey!カロリーQueen
止まらないやめられない
魅惑 ワクワクの国 Sweets Land
キミを味わいながら fall in Love
出典: Hey!カロリーQueen/作詞:やしきん 作曲:やしきん
この曲このサビの「肝」の部分、最も大切なところは「乙女のウエストには愛と夢と欲望がのってるの」、ズバリこの部分でしょう。
乗っているのは愛と夢と欲望であって、決して贅肉でも脂肪でもないのです。乙女にそんなことを言ってはいけません。
愛と夢と欲望が目指すもの、即ちそれがスイーツなのでしょう。スイーツ即ちそれはカロリー。そう言っても過言ではないかもしれません。それこそはカロリーQueenが志向するものです。
グミよりはずむ恋 してみたいのもぐり
はむはむ かむほど 溢れてくる想い
神秘のソースかけイェイイェイ
ミラクルSenbei出来上がり
おくちの中 準備してる
溶かせアミラーゼ
出典: Hey!カロリーQueen/作詞:やしきん 作曲:やしきん
1コーラス目のチョコレートに対して2コーラス目はSenbei……煎餅が登場です。そしておくちの中にアミラーゼ。
かつてアミラーゼが登場する歌があったでしょうか。「おくちの中」で「準備して」いて「溶かせ」と指示されるアミラーゼは、唾液などに含まれる消化酵素です。
歯で食べものを破砕しながら唾液で消化するという消化活動は、消化器に入る前に口の中で既にはじまっているのです。
アミラーゼに溶かされる前に味わうミラクルSenbeiは「神秘のソース」味。希少な、不思議な、秘められたソースは、ミラクルSenbei以上にミラクルな味がしそうです。
恋とは、かくも甘くやや苦く、心躍らせる不思議な味わいなのですね。
Hey!カロリーQueen
大人のクエストでは
手に入らないそんなこんな美味未来
Hey!カロリーQueen
止まらないやめたくない
曰く ドキドキの旅 Sweet Tour
日々を味わいながら Traveling
出典: Hey!カロリーQueen/作詞:やしきん 作曲:やしきん
サビでは「美味未来」なる言葉が登場します。「うまみらい」と読みます。おいしい未来、望ましい将来ということでしょうか。
「未来」はもしかしたら「味蕾」という言葉と押韻させているのかもしれません。「美味」という単語と連ねることでその意味は深くなります。
「味蕾」とは舌の組織で、粒状の部分です。味覚を感じる、つまり味を感じる部位です。そこで味わう美味未来……しかし、それは「大人のクエスト」では手に入らないと言います。
「大人のクエスト」とは何でしょうか。大人ではない者、つまり子供のクエストと異なる部分があるのでしょうか。クエスト=探求の旅は子供の心で行いなさいという示唆であるとも読み得ます。
子供は飽きっぽい部分もありますが、それでいて諦めがよろしくないものです。些末なことにはこだわらず、気になるところは妥協せず、望みを探し求めよ。そういうことでしょうか。
こだわりを棄て、諦めを棄てたところに美味未来の扉は開き、ドキドキの旅が続いていくのでしょう。そしてドキドキの旅こそが恋、なのかもしれません。