目を閉じれば菜奈との幸せな日々が見えるのに、目を開けると真っ暗な現実が待っています。

翔太はそんな現実から目を背けたくて仕方がなかったはずです。

それでも目からこぼれ落ちる涙が、これは現実なんだと訴えかけてきます。

目の前にいるのは確かに菜奈なのに夢の中では温もりを感じることはできません。

もう一度会って他愛もない話で笑い合いたいのに…それはもう二度と叶わないのです。

願いはただ1つ

会いたいよ
叫んでみても
声にならない
もう一度だけ
会いたい

出典: 会いたいよ/作詞:秋元康 作曲:NaO・MATCH

たとえ叶わぬ願いだと知りつつも自分の気持ちを抑えることができない翔太。

振られ続けても繰り返し告白してしまうほど彼は諦めの悪い男です。

そんな人がこの現実を簡単に受け止められるはずがありません。

だからもう二度と会えないと知っていても菜奈の名前を叫び続けることを辞められないのです。

この楽曲の中で"会いたい"という言葉は12回登場します。

告白もそうですが、想いをいくら言葉にしても足りないのでしょう。

伝わらなくても伝え続ける彼の気持ちが真っ直ぐで熱いことが伝わってくる歌詞です。

残ったのは絶望感

何者かによって奪われた幸せ

これから僕は一人
誰のために生きればいい?
この手で二度と抱けないんだよ
愛する君を…

出典: 会いたいよ/作詞:秋元康 作曲:NaO・MATCH

翔太にとっての生きがいは菜奈でした。

菜奈との幸せの為だったらどんなことでもできてしまうのです。

それ故に時々やりすぎてしまうのもまた菜奈が好きな彼の魅力なのでしょう。

引越し先のマンションで行われた交換殺人ゲームは何も悪くない菜奈の命を簡単に奪っていきました。

犯人も分からない…つまり怒りをどこにもぶつけられない翔太の葛藤が言葉の裏から窺えます。

菜奈に問いかけているような歌詞ですが、やりきれない想いが隠しきれていない部分です。

無気力…そして復讐心

会いたいよ
会いたいよ
心が壊れてしまったよ
会いたいよ
君のすべてが
忘れられない
一瞬だけでも
会いたい

出典: 会いたいよ/作詞:秋元康 作曲:NaO・MATCH

菜奈に会いたいけれど会えない、分かっているけど会いたい。

前向きで何事にも全力で頑張る翔太だからこそ、大切な人を失ったダメージは計り知れません。

ポキっと折れてしまった彼の心は菜奈のいない世界で元に戻ることはないでしょう。

生きる支えを失い、初めは無気力感が翔太を襲います。

何をしていても菜奈との楽しかった日々だけが頭の中をループしているのです。

しばらく経って現実を受け止め始めた彼は犯人に対する怒りの感情で埋め尽くされていきます。

無気力が復讐心へと変わっていく翔太の心情が"壊れる"という言葉に込められているように感じました。

君との思い出は消えない

君以外をもう
愛せない
思い出の中で
愛してる
永遠に
君を

出典: 会いたいよ/作詞:秋元康 作曲:NaO・MATCH

15歳の年の差があろうと、彼女に秘密があろうと毎回真っ直ぐにぶつかりながら信じ続けてきました。

彼には余計なオプションは一切必要なく、ただ菜奈という人間そのものをシンプルに愛していたのです。

人生でこんなにも大切に想える人に出会えたことは奇跡であり、二度目はありません。

むしろ翔太は何度でも菜奈に恋をすると宣言していました。

そんな彼の決意が最後のサビの部分に込められています。

もう楽しかった日々を更新していくことはできないし、花嫁姿を見ることもできなかった…。

それでも思い出の中や翔太の脳内では、確かに菜奈が生きているのです。

手を繋いだり抱きしめ合うことはできないけれど、2人の気持ちは永遠に翔太の心の中で繋がっています。

劇中での2人の絆が反映された歌詞なので、ドラマファンには痛いくらいに気持ちが伝わってきました。

見ていなかった方にも歌詞から翔太の熱い想いが伝わったのではないでしょうか。

「会いたいよ」の歌詞はシンプルに大切な人に会いたいという気持ちが込められた楽曲でした。

会いたいよタイム

手塚翔太(田中圭)【会いたいよ】歌詞の意味を解説!声にならない叫びの行方は?思い出の中の愛を感じようの画像