ここでは主人公と君が急接近した頃の思い出が綴られているようです。

2行目のセリフはラジオから流れていたもの。

FM802のキャンペーンソングだからこそ、この表現はとても粋に感じられますね。

きっと電話する時間はいつも、君が大好きなこのラジオを聴いていたのでしょう。

そのテーマソングの1フレーズだったのかもしれませんね。

主人公がやたらこのフレーズを覚えているのは、緊張して君との会話に集中できなかったから。

もしくは君との会話が盛り上がらず、沈黙している最中に流れていたフレーズだったのかもしれません。

なんにせよ、会話すべき君の声よりもそのバックで流れているラジオの音楽を聴いてしまう主人公。

男女の関係性に慣れていない、初々しさ青さが感じられます。

主人公と君の関係性は、そんなぎこちない電話でのコミュニケーションを経て大きく変わりました。

5行目にある「灯る」という表現からも君への想いが温かいものであると想像できますね。

つまり「好き」という気持ち。2人は無事に両想いになったのでしょう。

不安もあるけれど

苦しさの理由は

洋服についたシミで思い出した
情けない嘘の話
戻れないあの唇は恥ずかしいし
胸の裏側少しくすぐるんだ

出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO

仲が良くとても幸せそうに見える2人の関係ですが、もちろん常にそのような状態だったわけではありません。

相手を想ってついた小さな嘘は相手のことも、そして自分自身も傷つけてしまったのでしょう。

忘れていいはずなのに、いつまでもその傷跡が気になっているようです。

その嘘自体はもういまさら気にする内容ではありません。

しかしそれを言ってしまった本人の心の中には、いつまでも消せないシコリが残ってしまうもの。

4行目で胸をくすぐっているものも、きっとこのシコリでしょう。

寂しさはいつか

大きく手を振った後も また
すぐに逢いたくなるから
他愛もない事はいつかのとてつもない
幸せの積み重ね
一人で泣いたりしないでね

出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO

デートの後のお別れが描かれていますね。

ずっと一緒にいたいけれど、それが叶わない寂しさが伝わってきます。

5行目は主人公が君に向かって発したセリフだと思われますが、きっと強がりの気持ちも含まれているのでしょう。

また会えるまでの寂しさを誤魔化すため、君を茶化すようなフリをしながら自分自身を元気づけています。

縮まった距離

同棲生活の1コマ?

朝起きて割れた前髪
どこへ行くんだよ 戻っておいでと
ひねった蛇口が鳴いたよ

出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO

主人公と君はようやく同棲生活をスタートさせたのでしょう。

主人公は前髪についてしまった寝癖を急いで直したがっているようです。

2行目は君のセリフでしょう。急いで洗面所へ駆けこんでいく主人公の背中へ声をかけています。

しかし続く3行目を見ると、声をかけたのはなんと洗面所の蛇口…?!

もちろん比喩ですが、直前に聞いた君の声と蛇口が軋む音を同じもののように認識しているようです。

それほどまでに焦っていたのか、寝ぼけた頭で必死になっていたのか…。

いずれにせよ、君の前では可愛らしい自分でいたいという乙女心が感じられます。

募る想い

「ベイベーダーリン」
繰り返し始まる続きを
この手で作るの
つまずいて転んでも
桜は綺麗だよ

出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO

1行目はラジオから流れてくるお決まりのフレーズ。

主人公と君は両想いになった後も変わらずラジオを聴き続けているようですね。

そこに続く2行目の表現には、様々な意味がこめられています。

3つの単語に分割して考えると、1つ目は何度も聴き続けたお決まりのラジオソング

2つ目は主人公と君の関係性が変化したこと、つまり新たな関係性のスタートを意味します。

最後、3つ目はこの先の未来を意味しているのでしょう。

過去・現在・未来という3要素が1フレーズにギュッと詰め込まれていました。

4-5行目ではそんな「続き」、つまり2人の未来について想像しているようです。

きっと乗り越えなくてはならないたくさんの壁にぶつかるでしょう。

しかしどんなことがあっても、最後にはきっと幸せな気持ちになれるはずだ。

これまで早く過ぎ去ってほしいと思っていた春でさえ、君となら楽しい時間にできると確信しているようです。

切なさでさえも