キャンディと「僕」の関係はどうなるの?
夜空を眺めながらキャンディの眠っている横顔を想像している「僕」。
恋心を打ち明けているのかいないのか、明確にはわからないまま歌は進んでいきます。
わかっているのは、キャンディを思う「僕」の切ない恋心だけ。
二人の恋はどうなっていくのでしょうか。
本当の愛はどこにある
キャンディ アイラブユー
許してよ
ダイヤモンドは 持っていないけど
出典: キャンディ/作詞:松本隆 作曲:原田真二
次のフレーズでは「アイラブユー」と告げた後に許してと続きます。
「僕」は何を許して欲しいのでしょうか。
「ダイヤモンド」は、アクセサリーとしてだけでなく、財産や収入、社会的地位の象徴です。
「僕」には、財産も社会的な地位もなく、物理的な意味でキャンディを幸せにしてあげることができません。
これが「許して」の正体です。
財産や地位がなければ愛する女性を幸せにすることができないのでしょうか?
この後、「僕」がどんなにキャンディを愛しているかが描かれていきます。
視覚と皮膚感覚に訴える愛
草の葉に光る 朝のきらめきを
素肌にかけてあげる
僕は君の中溶けてゆく
寒い心 その優しい手で包んで…
Umm キャンディ
出典: キャンディ/作詞:松本隆 作曲:原田真二
この後に続く詩的な言葉は、すべて自分の心の中にあるキャンディを愛する気持ちのことです。
「僕」は、ストレートな言葉で愛を打ち明けています。
しかし、愛そのものの中身は決して直接的には表現されません。
片思いの悲しい気持ちを「きらめき」という視覚表現、「寒い」という皮膚感覚で表現しています。
この寒さはキャンディの温かい手で包み込まれることでしか癒されません。
キャンディは「僕」の愛に応えてくれるのか
君は僕のなか ひとつだね
夢の渦に巻き込まれて舞い上がるよ
アイ(ラブユー)
出典: キャンディ/作詞:松本隆 作曲:原田真二
キャンディが自分の中で息づいていると感じるのは「僕」だけ。
「僕」は心の中にあふれるキャンディへの愛に逆らうことができません。
自分ではどうすることもできないその思いは、空高く飛んでいくのです。
青い空、風に吹かれ飛んでいく「僕」の恋心。
その愛は果てがありません。
無限にどこまでも続きます。
キャンディが「僕」のことをどう思っているのかわからないまま、歌はいよいよクライマックスへ!
キャンディ、涙の訳は?
キャンディ アイラブユー 泣かないで
君が泣けば空も泣いちまう
出典: キャンディ/作詞:松本隆 作曲:原田真二
同じフレーズがリフレインされた後、泣かないでと続きます。
キャンディはなぜ泣いているのでしょうか。
「僕」のそばにキャンディがいるのかいないのか、キャンディが泣いている理由も明確にはされません。
キャンディが泣けば、キャンディへの恋心で幸せいっぱいだった空が悲しい空になってしまいます。
キャンディが涙することへの「僕」のせつない心が表現されます。
恋の美しさとはかなさ
誰も君の髪さわらせたくない
死ぬまで僕のものさ
寒い心 その優しい手で包んで
Umm キャンディ
出典: キャンディ/作詞:松本隆 作曲:原田真二
キャンディは些細なことで涙を流してしまう繊細な女性なのでしょう。
涙してしまうキャンディを「僕」はどうしようもなく愛しているのです。
誰にも傷つけられないように守ってあげたいと「僕」は思っています。
髪を触るという行為は、親密な間柄にしか許されないことです。
「僕」以外の誰にも、キャンディを渡さない渡したくない強い気持ちが表れています。
そして、キャンディが「僕」の気持ちに応えてくれるようにと祈る言葉が続きます。