加藤いづみ【好きになって、よかった】歌詞の意味を解説！夢が消えても後悔しないのはなぜ？強さをひも解く

もう会えない相手を思う切ない胸の内を綴る歌詞ですね。

タイトルでもある楽曲を象徴するフレーズがここで出てきました。

加藤いづみさんの歌声を耳にしたら泣きたくなってしまいますね。

恋は終わったけれど、その恋をした自分を否定しない歌詞。

相手をののしったり、傷つけたりすることのない表現で、言葉が並びます。

そしてその感情は今までの自分には起こらなかったこと。

過去に経験した恋の終わりには、このような思いになることは無かったのでしょう。

相手を恨むような言葉を投げかけたことがあったのかもしれません。

ここまでの心の動きで別れたばかりの相手が「自分史上最高に好きな人」であることが分かるのです。

「夢」はもちろん結ばれること、2人でその話をした「あの日」はもう遠い日の出来事。

悲しみに変わった未来を「雨」に流そうとします。

止むことの無い雨なら、誰にも気づかれることなく流れていく気がするのでしょう。

自分が「好き」という思いの中にいたことを後悔したくありません。

2人で会っていた夢のようなひと時、それはとても素敵な時間だったのです。

別れた相手を嫌いになってしまったら、自分のことも嫌いになってしまうでしょう。

楽しかった時間も辛く苦しい思い出となってしまいます。

終わってしまった「好きだった」ではなく「よかった」という気持ちを持ち続けたい。

恋が過去のものになっても、「好き」と思い続けた心を忘れたくないのです。

忘れたり、相手を否定してしまった方が心は軽くなるのかもしれません。

それでも「好き」という思いを、あの日のままにしておくことを選んだのです。

自分も相手も悪くない、最高で最上の恋の中にいた2人。

辛いけれど過去を否定しないで、今の悲しみを乗り越えられると強く思っているのでしょう。

この後また泣きたくなるような出来事があっても、今より辛いことは起こらない。

道の途中にある障害物さえも、除けることが自分はできるようになっているはず。

切ないタイトルには次へ行くための強い願いが込められていたのですね。

恋は終わったけれど落ち込んで泣いてばかりはいられない。

自分の前にある長く果てしない道を見据えます。

気持ちを切り替えるために街に出かけたのでしょう。

周りは、カップルや友だち同士で歩く人たちばかり。

楽しそうに歩く人々を見ているとまた心が傷み始めました。

ここで泣いてはいけないと思っても、止めることができなかったのでしょう。

でも周囲の人には泣いていることを知られたくありません。

「ひとり」の私は悲しみを乗り越えてここにいるのだから。

目じりではなく、「前髪」に手が行く、強い自分を装っている描写が心に刺さりますね。

思い切り泣いてしまえばいいのに、「ふり」をして涙を無かったものにします。

ガラスに映る独りの自分を見ないようにして、足早に立ち去るのでしょうか。

恋をしていたことは覚えていても、別れの辛さは忘れたいのでしょうか。

忘れてしまうまでにはまだ時間が必要です。

その辛く悲しい時間を「ひとり」でやり過ごそうとしています。

同じ未来に向けて一緒に歩こうと思っていた相手はもういません。

探しても過去の中にいた「ふたり」は永遠に見つからないでしょう。

あの日のように同じ思いの中にいられないのなら、独りでいることを選びます。

ここでもタイトルが効果的に使われていますね。

「よかった」ことはそのままだから、悲しくはありません。

ふたりで作った「想い出」は今も映像のように心に残っている。

箱やアルバムの中にあっても、すべてが幸せなままなのでしょう。

歌詞は再び最後に向けてタイトルを繰り返します。

内容は途中で出てきた歌詞と同じですが、最後に言葉が添えられました。

それは「いつまでも」ですね。

「ずっと続く」を意味する言葉ですが続くのは何なのでしょうか。

ふたりの関係は終わっていることから推測してみます。

1つは「この後もずっと強く生きていく」があるでしょう。

もう1つは「ずっと相手を忘れない」ことでしょうか。

恋をした自分を決して嫌いにならずに生きていく。

ここにはもう後悔はありません。