だんご3兄弟の人気とともに、彼らが登場するコーナーが番組内にできました。
その名も『あっという間劇場』。こちらの音楽も、聴くと思い出される方が多いのではないでしょうか。
オチのあるショートアニメで分かりやすく楽しく、子どもたちを楽しませくれました。
シュールな歌詞
兄弟ってこんなもん
いちばん上は
長男 長男
いちばん下は
三男 三男
あいだにはさまれ
次男 次男
だんご3兄弟
弟想いの 長男
兄さん想いの 三男
自分がいちばん
次男 次男
だんご3兄弟
出典: だんご3兄弟/作詞:佐藤雅彦 作曲:内野真澄
まずは兄弟について歌っています。
ここで歌われているのは、もちろんだんご3兄弟のことです。
しかし内容は普遍的なもの。「そうなんだよな」と、みんなが納得し、うなづいてしまう歌詞なのです。
両親にしっかり手を掛けてもらい、厳しくも手厚く育ててもらえる上の子。
一方の末っ子は、小さいというだけで可愛く、甘やかされて育てられます。
そして間の子はというと、上の子と下の子に忙しい両親の気持ちが向きにくく、ほったらかされ気味に…。
上の子と下の子を見ながら、間に挟まれ色々な想いを抱えながら育っている真ん中の子。
そんな真ん中の子は、自分を守るうちにちょっと自分勝手になってしまうのかもしれません。
普遍的な内容を歌っており多くの人が心当たりがあるため、くすっと笑えるのでしょう。
だんごの擬人化
ある日兄弟げんか けんか
こげ目のことでけんか けんか
すきまのあいた だんご だんご
でも、すぐに仲なおり
今日は戸棚で ひるね ひるね
3人そろってひるね ひるね
うっかりねすごし 朝がきて
かたくなりました
出典: だんご3兄弟/作詞:佐藤雅彦 作曲:内野真澄
一方で、だんごにしか分からない気持ちを歌っている箇所もあります。
それがこちら。”こげ目”のことは私たちには分かりません。
”戸棚でひるね”することもないので、その気持ちも全然分かりません。
そんな状態を擬人化して歌っているのが、コミカルでシュールで、笑いを誘うのです。
だんごを一晩、放置してカチカチになるということが、悲哀に満ちてとても悲しいことのように思えてきます。
ああ、残念でした。かわいそうにー。と同情心を誘います。
短調の物悲しい曲調で歌われているのが、また可笑しいのです。
仲良し3兄弟
こんど生まれてくるときも
ねがいは そろって 同じ串
できればこんどは
こしあんの
たくさんついた
あんだんご だんご
出典: だんご3兄弟/作詞:佐藤雅彦 作曲:内野真澄
ケンカもする3兄弟ですが、実はとても仲良しなのです。
男兄弟ってそんなものなのかもしれません。
多くは語らずとも、絆があるというのが、男兄弟でしょうか。
しょうゆだんごの彼ら。実は、あんだんごに憧れがあるということが、ここで分かります。
ここはほかのパートより一層哀愁を帯びたメロディーになっていて、憧れの強さが分かります。
しょうゆであることにも誇りは持っているけれども、実は!あんこ!!!という切望が!
正直、どうでもいいことを、こんな切なく歌っているのが、やはり可笑しい!
そしてかわいい!絶妙なシュールさとばかばかしさが、人の心を引きつけたのではないでしょうか。
いちねんじゅう
春になったら 花見 花見
秋になったら 月見 月見
一年とおして だんご だんご
だんご3兄弟
だんご
出典: だんご3兄弟/作詞:佐藤雅彦 作曲:内野真澄
ラストへ向かうここのパートもメロディーが異なります。
曲中では同じ言葉を繰り返すのですが、この繰り返しが流行の要因の一つではと思います。
花見や月見、そしてだんご。僕たち兄弟はずっと一緒だよ、という気持ちも込められているでしょう。
淋しい曲調なのに、楽しい気分も湧き上がってくるつくづく不思議な曲です。