L'Arc〜en〜Cielの5thアルバムに収録の1曲
ベースのtetsuyaさん初の作詞曲
今回ご紹介する楽曲は、アルバム収録曲の『milky way』です。
L'Arc〜en〜Cielは初期の頃からずっと、hydeさんが作詞を担当していました。
作曲に関しては全メンバーが担当するのですが、その点作詞に関しては一貫していたのです。
ところが、活動休止から復帰したL'Arc〜en〜Cielが放つ待望の5thアルバム『HEART』。
このアルバムのラスト前に位置する9曲目に収録された『milky way』は違いました。
ベースのtetsuyaさん(当時はtetsuと名乗っておられました)が作詞を担当したのです。
L'Arc〜en〜Cielとしては初のhydeさん以外が作詞をするという記念すべき作品となりました。
言葉選びやストーリー展開はhydeさんとは異なり、全てがストレートになっています。
難解な比喩も表現もありません。
思いをまっすぐな言葉で紡いでおり、L'Arc〜en〜Cielとしてはかなり意表を突く作品です。
そして、歌詞もさることながら、楽曲の雰囲気もこれまでとはかなり異なるものでした。
何が異質なのか。
それは、これまでのL'Arc〜en〜Cielにはなかったポップさが前面に押し出されているということです。
この曲は作曲もtetsuyaさんなので、tetsuyaさん色100%となっています。
tetsuyaさんが作曲した曲として、『snow drop』『READY STEADY GO』『STAY AWAY』『Link』等…
全体的にポップ色が強く、メロディがスッと届くストレートな楽曲が印象的です。
そんなtetsuyaさん作品において、そのポップさが存分に発揮され、いい意味で「ラルクっぽくない」楽曲。
それが今回ご紹介する『milky way』です。
『milky way』の世界観
あなたは、今すぐ会いたいほど大好きな人がいますか?
もしもいるのなら、その人のことを思い浮かべながらこの曲を聴いてみてください。
そんな気持ちにさせてくれるほどにストレートな言葉で綴るラブソング。
それが今回ご紹介する『milky way』です。
告白を前にして、いまだに迷っているであろう「きみ」の心の中に入って行きたい。
そんな純粋な想いが、これでもかというほどに素直に詰め込まれた作品になっています。
曲調はバラードではなく、ミディアムテンポのポップロック。
走り出すというよりは、駆け足というか、小走りというか、「きみ」に会いに行く感じのスピード感です。
そんなテンポに切ない雰囲気のギターが絡み合い、恋心を見事に表現しています。
こんな関係になるなんて想像していなかった
明日まで待てない
星降る夜きみに会いたくて
夜明けを待たず街を抜け出した
月あかりの下のきみ…今も
出典: milky way/作詞:tetsu 作曲:tetsu
心地よいギターイントロから一気にサビへと駆け上る冒頭。
この勢いが主人公の気持ちをうまく表現しています。
まだ暗いうちから「きみ」に会いたくて飛び出してしまうのですから。
朝になるまで待ちきれないほどに募る想いを今すぐ「きみ」に伝えたい。
おそらくこの日、すでに「きみ」と会う予定になっていたのでしょう。
しかしその時間まで待ちきれず、気持ちを抑えきれずに身体が動いてしまったのです。
では、主人公が「きみ」に伝えようとしている想いとは一体なんなのでしょうか?
友達の関係で終わると思っていた
days はしゃいで歩いてたあの頃が
maze いつまでも続くような気がしてた
出典: milky way/作詞:tetsu 作曲:tetsu
ここの部分の歌詞で、主人公が「きみ」との一線を越えようとしていることがわかります。
つまりは、仲良く遊んでいた友達という関係から、恋人というステップに昇ろうとしているのです。
以前から主人公は「きみ」に対して恋心のようなものを抱いていたのでしょう。
とはいえ、どうにも自分の中でハッキリしていなかった。
そのことが「maze」という表現から読み取ることができます。
「maze」とはつまり「迷路」ですから、迷い込んでいたということがわかるのです。
しかし、ある時からその想いが確信に変わったのでしょう。
そして迷っていたけれど、ついに主人公は想いを伝える決心をしたのです。
こんなにも好きなのに
伝わらない想い
なぜ瞳の奥きみは迷い遠回りする?
ほら心のドア開けばすぐ 迎えに行くよ
出典: milky way/作詞:tetsu 作曲:tetsu