歌手デビューから30周年

デビュー曲は「機動戦士Zガンダム」主題歌

森口博子「星より先に見つけてあげる」の歌詞を解釈!弟子が師匠を想うサビはワンパンマン世界とシンクロの画像

1985年8月にアニメ「機動戦士Zガンダム」のOPテーマ「水の星へ愛をこめて」でデビューした森口博子さん。

同期は中山美穂さん、南野陽子さん、斉藤由貴さんなどアイドルの当たり年”といわれた「85年組」の一人です。

デビュー曲はオリコン16位とスマッシュヒットに。

その後バラエティー番組で才能が花開き、1992年には「夢がMORI MORI」のメイン司会を務めました。

でもバラエティーのレギュラーをいくつも抱えながら、森口さんの胸にはある思いがありました。

「私は歌手だ」という歌への深い愛情です。

時は流れ、2015年に歌手デビュー30周年を迎えた森口さん。

今回は久し振りに担当したアニメ主題歌「星より先に見つけてあげる」を紹介します。

アニメ「ワンパンマン」主題歌

森口博子「星より先に見つけてあげる」の歌詞を解釈!弟子が師匠を想うサビはワンパンマン世界とシンクロの画像

「ワンパンマン」は、2009年にウェブ連載されていたONE著作の漫画です。

それを漫画家・村田雄介さんが目に留めて作画を申し出たことで「となりのヤングジャンプ」で連載開始。

コミックスは17巻まで発売され、2018年10月現在も連載中です。

2015年秋に、アニメ「ワンパンマン」1期が放送されました。

ジャンルで言うと「ヒーローもの」ですがギャグ要素がかなり多いので肩ひじ張らずに見られる作品。

職業として「ヒーロー」という生き方を選んだ主人公・サイタマの日常が描かれています。

「プロヒーロー」という概念は週刊少年ジャンプの人気漫画「僕のヒーローアカデミア」と共通しますね。

最強なのに残念な師匠・サイタマ

森口博子「星より先に見つけてあげる」の歌詞を解釈!弟子が師匠を想うサビはワンパンマン世界とシンクロの画像

物語は主人公・サイタマ(28歳)が就活をしていた3年前、25歳から始まりました。

一般企業への就職を目指し面接を受けるも、不採用が続く毎日……。

そんなある日、悪の怪人から少年を守ったことで「ヒーロー」になることを決意します。

そこからひたすら地道にトレーニングを続けていたら、3年後には誰よりも強くなっていました。

頭髪が無くなったのは苛酷なトレーニングによるものとされています。

地球の侵略を狙う怪人を一撃で倒せる最強ヒーロー。

タイトルの「ワンパンマン」は「ワンパンチ」の意味なのです。

でもあまりに強すぎるせいで偶然だと思われたりヤラセを疑われたり……。

国が決めているヒーローランクはC級~A級、そしてS級がありますが、C級最下位からのスタートとなりました。

このどんぐり眼(まなこ)の気の抜けた顔で、立ちはだかる敵をワンパンで倒すサイタマ。

呆気ない戦闘シーンは見ていて笑えてしまうほどです。

イケメンだけどド天然の弟子・ジェノス

森口博子「星より先に見つけてあげる」の歌詞を解釈!弟子が師匠を想うサビはワンパンマン世界とシンクロの画像

サイタマの押しかけ弟子・ジェノス(19歳)。

15歳の頃に悪の怪人の襲撃で家族を奪われ瀕死の重体に。

家族の復讐のためにサイボーグになることを選びました。

ある日、怪人との戦闘でピンチに陥ったジェノスは怪人を巻き込んで自滅しようと決意します。

そこをサイタマに救われたことで圧倒的な尊敬の念を抱き、弟子入りを志願したのです。

一度サイタマと本気の手合わせをしましたが全く歯が立ちませんでした。

さらなる強さを求めるジェノスは「弟子なら当然」とサイタマのマンションに押しかけます。

ヒーローランクはS級14位と異例のスタートを切り、イケメンなので市民の人気も高い。

目下の悩みは圧倒的な強さを持つサイタマが周囲に認知されないこと……。

カッコいい部分とド天然を持ち合わせた人気キャラクターです。

作曲者は意外なアノ人!

作曲・編曲は前山田健一

森口博子「星より先に見つけてあげる」の歌詞を解釈!弟子が師匠を想うサビはワンパンマン世界とシンクロの画像

作曲・編曲を担当したのは前山田健一さん。

ももいろクローバーZ「行くぜっ! 怪盗少女」「ココ☆ナツ」を手掛けたヒットメーカーです。

前山田さんはタレント活動は「ヒャダイン」名義なのでこの名前の方が分かる方が多いでしょうか。

軽快なリズム系の曲が多いイメージがあるので、この曲の作曲者と聞いたときは意外に思いました。

以前から森口さんの歌声と表現力を高く評価していた前山田さん。

「このクリアな声を活かして“聴かせる曲”にしよう」と考えたそうです。

テレビ番組で前山田さんがそう話した際、中継で繋がっていた森口さんは感激の涙を流していました。

では森口さんの透明な声が響くフルMVをどうぞ。

ますます冴える澄んだ歌声

大切な人の帰りを待つ女性。

最初の「ねぇ」でいきなりハッとさせられます。

デビュー当時の森口さんももちろん高くて澄んだ声でした。

だけど30年以上歌い続けたら、通常なら声が摩耗(まもう)してもおかしくありません。

ところが森口さんの歌声は澄んでいるだけでなく肌触りの良いシルクのようにふわりと耳に触れてきます。

「あなたが強いことも、いつも私を守ってくれてることも分かってる。

だけど心配くらいはさせて……。

それが“特別”ってことなんじゃないの?」

そんな切ない女心が伝わってきます。

夜空に輝く星よりも、その人は輝いているから。

だから「星より先に」見つけることができる。

大切な人を思い浮かべながら歌っているから「心配」と言いながらいい笑顔です。

森口さんは歌の世界観に合ったファンタジーなセットにご機嫌で撮影に臨んだとか。

歌収録のあと、前山田さんは「この包容力は若い子には出せない」と絶賛。

「年月を重ねてきた意味がありました!」と森口さんも嬉しそうでした。