1988年にCDデビュー!
ジャニーズ事務所といえば「歌って踊れるアイドルグループ」が定番です。
ですが男闘呼組(おとこぐみ)はツインギター、ベース、キーボードの4pieceバンド。
この4人でグループ名も「男闘呼組」と決まるまでにはメンバーの入れ替わりやグループ名の推移もありました。
紆余曲折あり、結成当初から中心メンバーだった成田昭次さん、高橋一也さん、岡本健一さん。
そこに前田耕陽さんが加わった4人でのデビューが決まったのです。
前田さんはサポートメンバーとして参加していたときにはドラムも演奏していました。
デビューしてからはキーボード専門になったようです。
活動期間は約5年
しかし80年代~90年代は空前のバンドブーム。
特に80年代後半はTHE BLUE HEARTSやユニコーンが爆発的な人気となりました。
男闘呼組はきっと、荒々しく魂の歌を響かせるロッカーに憧れを抱いたのでしょう。
努力を重ねて、彼らは作詞作曲も自分たちで手がけるようになっていきます。
すると徐々に音楽ファンに彼らの楽曲が届くようになってきました。
「男闘呼組って結構ちゃんとロックしてんじゃん」
同性のファンも増えつつあり、順調に階段を上っていくと思われていました。
そんな1993年、高橋さんの事務所退所をきっかけにグループは解散へ。
2018年の現在、ジャニーズ事務所に所属しているのは岡本さんのみです。
それぞれの現在は後半に紹介させていただきます。
デビュー曲が大ヒット
レコ大に紅白出場も!
1988年8月にリリースされたデビューシングル「DAYBREAK」。
当時、デビューする歌手に必ずつけられていたキャッチフレーズは「ジャニーズ事務所のおちこぼれ」。
でもこれは「ジャニーズに関心がない人に興味を持ってもらいたい」と考えての戦略だと思います。
こう言われると、「どれどれ、見てやろうじゃないか」なんて思うアンチがこの頃からいたのでしょう。
現に男闘呼組はこの曲で日本レコード大賞・最優秀新人賞を受賞し、同年の紅白歌合戦にも出場。
そしてランキング番組の代名詞「ザ・ベストテン」でも年間ランキング第7位にランクインしたのです。
CDは、C/W(カップリング)違いで4タイプがリリースされました。
C/W曲はデビュー前に男闘呼組が出演したドラマや映画の主題歌が収録。
ファンが待望した初の音源化でした。
では、レコード大賞を受賞時に披露された「DAYBREAK」をどうぞ!
動画では歌が「終わった夏より……」の部分から始まっています。
これはCDの始まり方とは違っているのをご存知でしょうか。
当初はCDに収録されている通り、イントロ~歌い出し「渇いた風を殴り……」でした。
でも曲がヒットしていくつも歌番組に出るうちに、スタートがこの動画のように変更されていきました。
確かにこちらの方がドラマティックな印象を受けます。
これも男闘呼組がバンドだからこそ対応できたことです。
成田さんと高橋さんがツインボーカルですが、成田さんがメインを務めることが多かったでしょうか。
高橋さんの芯のしっかりした声が成田さんの高音を支えているような印象でした。
岡本さんは少し声が硬めでリードボーカルというタイプではなく……。
でも人気が高かったので、岡本さんのソロになるとファンの歓声が一気に大きくなっていました。
前田さんの英語のコーラスは残念ながら聞き取れず……。気になってしまうじゃないですか。笑
そしてこの映像の彼ら、19歳または20歳なのですよ。
驚愕してしまいました……!!
4人ともセクシー過ぎませんか!?
4人でこのクオリティなら、今デビューしても十分ファンを獲得できそうです。
ヤンキー漫画が大人気
そしてこの曲の背景として大事なのが、当時の「ヤンキーブーム」。
少年マンガ「ビー・バップ・ハイスクール(きうちかずひろ著)」「湘南爆走族(吉田聡著)」がヒット。
少女マンガでも家庭不和の女子中学生が不良に憧れる「ホットロード(紡木たく著)」が人気となりました。
この作品は2014年に能年玲奈(現在・のん)さんと登坂広臣さん(三代目J Soul Brothers)で映画化されましたね。
髪型はリーゼント、幅の広いボンタン(ズボン)が少年たちの憧れでした。
そんな時代を踏まえて、歌詞を見ていきたいと思います。
男気溢れる歌詞
お前をさらっていく、未来へ――
渇いた
風を殴り 迎えに来たぜ!
もいちど お前だけを 守りたくて
゛夢見る男って嫌いじゃない゛と
泣いたお前 胸に Sail On Nights
そして・・・ Growing Love
孤独を抜けて
涙とめぐり逢えたよ
そうさ・・・ Growing Love
待たせたけれど
終わった夏より 灼きつく愛が
始まる
出典: DAYBREAK/作詞:大津あきら 作曲:MARKDAVIS
「渇いた風を殴り」は、「バイクでカッ飛んで来たぜ!」の意味と思います。
「カッ飛ぶ」は今や死語でしょうか。
野球でバッターに「かっ飛ばせ!」と言うのと同じで「飛んでくるくらい勢い良く」を示します。
「ヤンキー=バイク」は必須アイテム。
バイクで迎えに来て、彼女を後ろに乗せて颯爽と走り去る……。
それがカッコ良かった時代です。
夢のために都会へ出ていこうとする彼との仲を、彼女は周りに反対されています。
それでも彼に着いて行くと決めたけど、故郷との別れは寂しい……。
泣いてしまう彼女を抱きしめてやり、2人は彼のバイクで生まれた町を離れます。
夏の終わりに旅立つ若い2人。2人の愛の物語はこれからがスタートです。