愛は単純 愛は残酷 愛は瞬間
愛は尊くて
I surrender 愛されど愛 愛の無い世ん中ありえない
愛がないなんてありえない
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
ここでは愛について4つの説明がなされています。
「愛」は誰かを愛おしく思う気持ちであり、地球上の誰もが持つものです。
国や宗教による違いはなく、シンプルだからこそ皆が同じように理解できるのでしょう。
愛が途絶えると人は傷付き、嘆き悲しみます。
お金がなくなっても人脈が失われても、また稼げばいい、別の人を探そうと思えるもの。
ですが今まであった愛が消え去ると「次」はありません。
復活愛という言葉もありますが、愛のひび割れを埋める接着剤の臭いはずっと気になるでしょう。
2つ目の「愛」からは、愛の存在に頼りすぎてしまうことの怖さを感じます。
3つ目は、愛が生まれるのも消えるのもあっという間の出来事なのだという意味ではないでしょうか。
ちょっとした行き違いが原因で、愛が跡形もなく消え去ることだってあります。
誰にでも分かりやすく、失えば傷つき、得るのも失くすのも一瞬。
これらは全て4つ目の「愛」の説明に繋がるのです。
この曲の主人公は、相手からの愛と自分の愛の不均衡を嘆いていました。
しかし釣り合いが取れなくても相手から愛を受け取っていることには違いありません。
何かがきっかけで相手からの愛が急に嵩を増すかもしれませんし、彼女の愛が消えることだってあるでしょう。
つまり愛は泡沫、といえますね。
そんな愛に執着して生きるのはとても危険なことです。
相手からどれくらい愛されているか、「愛され度合い」を気にしていたら息苦しいだけ。
だから「I surrender=放棄する」と歌います。
愛されているかどうかを気にするのではなく、自分が満足できる愛を与えよう。
こんな意味を感じます。
彼女が最も愛しているものとは?
納得できない
大好き 大好き 超大嫌い
最低 最悪 but好き
そういうもんね そういうもんね そういうもんね
仕方ないべ
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
1番で歌われた歌詞と同じフレーズが並びます。
しかしころころ入れ替わる気持ちに対して今は疑問を抱きません。
とはいえ、100%納得しているわけではないのでしょう。
「割り切らなきゃね」と3回も繰り返す様子はまるで自己暗示です。
そうでもしなければ、愛され度合いに翻弄され続ける未来が見えているのではないでしょうか。
あなたからの愛限定
時折意味なく 超大嫌い
それでも大好き So true love
なんでとか なんでとか
わかんないよ...
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
愛され度合いを気にせずにいこうと決めたはずなのに、やはり心は浮き沈みします。
相手がもっと愛してくれるのでは?と期待しているからでしょう。
期待通りにはいかないことが分かり、一瞬「嫌い」になるのにすぐに元通り。
結局彼女は、相手のことが好きで好きで仕方がないのです。
こんなに振り回されるくらいなら、愛してくれる別の相手を探せば良いのかもしれません。
でも彼女が欲しいものは「愛」ではなく「恋人からの愛」なのでしょう。
悪いのは誰?
褒められたい ただそれだけ 自分に酔いしれ
自己陶酔(とうすい)ちゅうか自己嫌悪(けんお)
泣きそうじゃん そうでしょ!?
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
わがままを言わずに相手を愛する彼女に対して、彼は「面倒を言わない良い子だな」と感じているのでしょう。
実際それを彼女に伝えているのかもしれませんね。
わがままを言わなければ彼が褒めてくれる。それ自体はとても嬉しいことです。
しかし、本当に欲しいものは褒め言葉ではなく「愛」ではないでしょうか。
良い子でいたいからわがままを言わず、わがままが言えないから愛が足りないと嘆く。
結局は素直になれない自分が悪いのだと分かっているのです。
I love meに気付いて!
愛は複雑 愛は明白 愛はEndless
愛は儚くて
I surrender 愛されど愛 愛の無い世ん中ありえない
愛がないなんてありえない
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
1番のサビで定義した愛とは異なる愛が3つ並びます。
シンプルだと歌っていたはずですが、ここでは真逆ですね。
愛の種類は様々です。家族愛や恋人への愛もあれば世界に向ける愛、自己愛や愛憎の愛。
確固たる形がないからこそ様々な意味を持つわけですが、形はどうあれ「愛」の存在は確かです。
愛は得るのも失くすのも一瞬ですが、失くさなければ愛は消えません。
一度得た愛をどれだけ大切に育てるか、が重要なのでしょう。
彼女は相手から、決して少なくはない愛を受け取っているはずです。
それを大切に育てて大きくしようとしないのは彼女自身ではないでしょうか。
相手からの愛に期待するばかりで、愛を自分の中で大きく育てようとしていないのです。
なぜなら彼女の愛は自分に向いているから。
褒められたいのも良い子でいたいのも、全て自分可愛さが理由だといえます。
それに気付いて認めることが、彼女にとっての主要命題です。
相手は確実に彼女を愛しています。彼女はどうでしょうか?
彼女こそ、相手に対する愛が足りないのかもしれませんね。
私は確実に相手を愛しているのに。最後のフレーズからはそんな戸惑いを感じます。