「I surrender 愛されど愛」の歌詞を考察!
「ベスト!モーニング娘。20th Anniversary」収録の「I surrender 愛されど愛」。
タイトルの中にはふんだんに「愛」という言葉が使われています。
愛という目に見えないものを、作詞・作曲のつんく♂はどのように表現したのでしょうか。
愛が足りない!その理由は?
「I surrender 愛されど愛」というタイトルの英語部分を直訳すると「私は放棄する」となります。
えっ?何を?となりますが、その後につづくのが「愛されど愛」。
少し文字を変えてみると「愛され度合い」。どれくらい愛されているか、というニュアンスです。
つまり「私はどれくらい愛されているか気にするのを放棄する」と解釈できます。
ぼんやりと曲の方向性が見えてきましたでしょうか?
思いは行ったり来たり
大好き 大好き 超大嫌い
最低 最悪 but好き
なんでだろう なんでだろう なんでだろう
わかんないべ
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
好きな相手に対して、時々無性に腹立たしくなるようです。
ここで歌われる「嫌い」は、生理的に受け付けなくなる状態ではありません。
ころころと気持ちが入れ替わることから、きっかけさえあれば好きにも嫌いにも転じるのでしょう。
つまり、思い通りに事が進まず拗ねているようなものです。
そしてこの曲の主人公は、自分がなぜこんな気持ちになるのか理解していません。
拗ねているだけ、ということにも気付いていないのです。
察してよ!という理不尽
今すぐ会えなきゃ超大嫌い
この後すぐなら もうtoolate
なんでなの!?なんでなの!?
わかんないの!?
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
ほんの数分の違いかもしれませんが、彼女にとっては雲泥の差。
今相手がどんなに重要な商談の最中でも、自分を優先して欲しいのでしょう。
彼女の目的は、彼に会うことそのものではありません。
会うことが目的なら、今だろうが1時間後だろうが大した違いではないのです。
では何が目的なのかというと、自分を優先してくれるか否かを知ることではないでしょうか。
そんなこととは露知らず、相手は「今は無理」などと彼女に伝えます。
ここまでの歌詞を読んで、当たり前だと感じる方もいるでしょう。
どうしたら分かってくれるのか考えもせず、相手に「こうしてほしい」と伝えることもしていないのですから。
実は彼女、自分のこうした考え方が相手にどう思われるのかを知っています。
ですから、伝えたくても伝えずにいるのです。
先程の「なぜ?」という疑問は自分に向けられたもの。
一方このセクションでは相手に向けられていることがわかります。
言葉にできないから察してほしい。
少し身勝手な印象です。
良い子でいたいから
自分の身勝手さを相手がどう感じるのか。
その答えを知っているからこそ身勝手を避けるのでしょう。
愛情は平等でなければダメ
嫌われたくないから 我慢した結果
後悔ちゅうかなんかムカつく
不公平じゃん そうでしょ!?
出典: I surrender 愛されど愛/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂
わがままを言わずに相手を優先していれば「なんて良い彼女だろう」と思ってもらえる。
分かりやすくいえば「もっと愛してもらえる」と踏んでいたのです。
歌詞にある「不公平」は、お互いへの愛の不均衡を表現しています。
自分が与えた愛は100なのに、相手は65しかくれない。こんな状況です。
これこそが「愛され度合い」なのでしょう。
恋人同士なら愛され度合いは釣り合っていなければならないというのが彼女のセオリーです。