テーマは美しい聖職者
人気ゲームのタイアップ
この曲はオンラインゲーム『アラド戦記』のタイアップソングです。
西沢幸奏はこの曲の前にもこのゲームに関わる曲を作成しています。
ゲームのファンにとってはすでにお馴染みなのかもしれませんね。
さて、この曲ですが「女プリースト」の実装記念と「天下一決定戦2017」のテーマソングとして起用されました。
そのため、この曲は新キャラクターである「女プリースト」をテーマに作成されました。
女プリースト
「アラド戦記」は簡単に言えば広大な世界の問題を解決していきながら冒険を続ける冒険者たちの物語。
プリーストは司祭のことを指します。
つまりは神を信仰し、人々を導く人のことですね。
「女プリースト」は癒し手でもありますが戦闘することも可能。
公式では彼女たちについて以下のように説明しています。
偽装者によって家族を失い、異端の行為に傷つけられた過去を信仰で克服した少女。
「啓示」を受け入れ、異端と偽装者を罰するために残酷な修練を積む。
巨大な武器を自由自在に扱う強靭な肉体と信仰の力で、悪を殲滅し味方を守護する。
出典: https://arad.nexon.co.jp/character/priest_f.aspx
教会にたたずむ穏やかなシスターを想像すると全く違うものだと分かります。
彼女たちは勇ましくも進む戦士。
傷つきながらも自らの足で立とうとする力強い女性の姿が思い浮かびます。
プレイしているかで解釈は変わる
タイアップソングはそのタイアップ対象に関連付けて作られています。
そのため、曲をよりよく理解するにはその対象を知っていたほうが理解しやすいものです。
とはいえ様々な理由でゲームに触れることができない人もいます。
純粋に曲に惹かれた人もいます。
プレイしている人もプレイしていない人もそれぞれの解釈で曲を楽しんでください。
音楽は自由なものです。
偽りから生じた憎しみ
信仰は目に見えないものです。
神は目に見えないものだからです。
だからこそ神の声を聴く人を信じその人にすがろうとします。
しかしその言葉が嘘だったなら。
信じていたものは何だったのでしょう。
その讃美歌は嘘
瞼も持ち上がらないような闇が静かに息を塞いだ
十字架に絡めて偽り奏でるアリア
出典: Gray Blaze/作曲:西沢幸奏 作詞:WEST GROUND
アリアとは独唱曲、つまりはソロで歌う曲のことを指します。
オペラの合間に挟まれることも多いですが宗教曲としてのアリアもたくさんあります。
絡めるとなると指に十字架をつないだチェーンを絡めているのでしょうか。
暗い闇の中、手にある十字架を強く握りしめる姿が思い浮かびます。
ですが、実際に絡めているのはチェーンではなく偽り。
神の言葉をうたっているようでいてその言葉は嘘でしかなく。
信じたはずの言葉が嘘だと知った時その絶望はいかほどのものでしょうか。
それは前も見えないほどの暗闇なのかもしれません。
その傷は深いでしょう。
その痛みを乗り越えて信じたいものを強く信じる。
そうして生まれたのが彼女たちです。
憎しみという名の原動力
心の底がひび割れていく 染み付いた憎しみを抱いて
水面が写す歪んだ姿 波紋へ溶けるまで
出典: Gray Blaze/作曲:西沢幸奏 作詞:WEST GROUND
裏切りは最も卑怯で最も人を傷つける。
そう言う人もいます。
信じていたものが嘘だった。
そう知って多くの人が傷つき怒りを抱くでしょう。
怒りどころか憎しみにまで行ってしまうこともあります。
憎しみはどちらかといえば否定的に語られる感情です。
しかしとても強い力を持つ感情でもあります。
時として人を前に進ませる原動力にも。
そうはいっても無理やり補強して進んでいるようなもの。
その姿は憎しみによって歪んでいるかもしれません。
だからこそ歩いて行きます。
いつか憎しみが新しい思い出に溶けていくその時まで。