漫画家になりたい、ミュージシャンになりたい、パティシエになりたい。
幼少の頃は自由に自分の将来を言っていたこともあったでしょう。
それも年齢を重ね、実際になるためには様々な困難な壁が立ち向かってくることが分かります。
自分には無理だと諦めていた幼少の頃の夢。
主人公にもあったのでしょう。
無意識のうちになりたいものがあったからこそ、大きな不安感に襲われていたのです。
しかし今まで無難な選択をしていたのに、今さら夢を追いかけようとするだなんて…。
そんな後ろ向きな気持ちもあったようです。
でもこの時に出会った「君」はそんな後ろ向きな考え方はしていませんでした。
真っすぐに自分がなりたいものへ進んでいく姿。
主人公からすれば、新鮮で眩しく映ったことでしょう。
自分でも気づくことができなかった小さな将来の夢。
それを見つけてくれた「君」との出会い。
歌詞1行目からこのような解釈をすることができます。
そして、きっかけをもらえてスッキリとした気持ちになった主人公。
歌詞3、4行目からもダメ元で行動しようというような意味に捉えることができます。
長い間、自分で無理だと決め込んでいた小さな夢。
叶えることができたら、それはとても嬉しいことでしょう。
でもそんな贅沢はいいません。
今まで叶えるための努力を怠ってきたのですから、叶わないのが当たり前。
ぼんやりと過ごしてきた日々をやり直すこともできません。
だからせめて、明日も晴れやかな気持ちで「君」といたい。
潰されそうな不安を取り除いてくれた「君」はそれぐらい主人公にとってかけがえのない存在になりました。
前向きになる
あれから世界は変わったって
本気で思ったって
期待したって変えようとしたって
未来は残酷で
それでもいつだって君と見ていた
世界は本当に綺麗だった
忘れてないさ 思い出せるように仕舞ってるの
出典: アスノヨゾラ哨戒班/作詞:Orangestar 作曲:Orangestar
「君」と出会ってから日々の生活に彩りが戻った主人公。
重く暗く、将来を悲観していたことが嘘のようです。
そしてこの日から主人公は少しでも自分の目標に近づけるように努力をします。
しかし人生を左右する大事な時期での大きな変更は周りからすると不安しかありません。
今まで無難な生活をしていた人が、いきなり有名人になりたいといって学校を辞めようとしたら…。
そんなことをすれば多くの人が止めるでしょう。
ここまで極端なことはないと思いますが、それでも主人公の変化は周りの人を不安にさせるのには十分でした。
今さらそんなことをしたってもう遅い。
そんな心ない一言も言われたかもしれません。
傷つきはしたものの、そんな反対の言葉で主人公の心が折れることはありませんでした。
「君」と一緒に目標へ向かって進む時が一番楽しかったのでしょう。
それに主人公は夢を叶えることが目的ではありません。
目標を目指す君と共に努力する時間が今は何よりも大切だと思っているからです。
漠然とした不安を抱えながら自分の将来を決めていくのに、恐怖を感じていた主人公。
どうせ同じ将来を辿るのであれば、素敵な思い出を作っておきたい。
そんな気持ちもあるのではないかと考えられます。
もしもの世界
君がいてもいなくても翔べるなんて妄想
独りじゃ歩くことさえ僕は
しないまま藍色の風に吐いた幻想
出典: アスノヨゾラ哨戒班/作詞:Orangestar 作曲:Orangestar
少し前の大きな不安が嘘のようになくなっている主人公。
毎日が楽しいと感じられるようになったのは間違いなく「君」のおかげでしょう。
もし、あの時に出会っていなければ…。
そんなもしもの世界を考えているようです。
今そんなIFの世界を考えただけでも恐ろしいのでしょうか。
歌詞2行目の語尾に「…。」がつきそうな不安感がイメージできます。
そして「君」と出会わなかった場合なんて考えたって仕方が無い。
今はすごく楽しいから、当分はこのままで。
そんな気持ちも見え隠れします。
君の行方は…
壊してくれって願って踠いたって
願ったんなら叶えてしまえや って
Eh… 君は言って
出典: アスノヨゾラ哨戒班/作詞:Orangestar 作曲:Orangestar
不安な気持ちを消し去るために夢を追いかけ始めた主人公。
対して「君」は本気で夢と向かい合っています。
同じ目標で意気投合した2人ですが、少しずつ2人の熱量の違いが明らかになっていくでしょう。
主人公からすれば夢は叶わないものと割り切っている状態なのです。
しかし「君」は歌詞2行目のような言葉を主人公にぶつけたのでしょう。
思い出作りのために活動し出した主人公と本気でなろうと活動そしている「君」。
将来を決める時期が近付くにつれて、この考え方の違いは大きく表れてくるでしょう。
主人公が叫んだ真意
また明日の夜に 逢いに行こうと思うが
どうかな君はいないかな
それでもいつまでも僕ら一つだから
またね Sky Arrow 笑ってよう
未来を少しでも君といたいから叫ぼう
今日の日をいつか思い出せ
未来の僕ら
出典: アスノヨゾラ哨戒班/作詞:Orangestar 作曲:Orangestar
恐らく最終的に2人は別々の道をたどっていたのでしょう。
それでも2人が出会ったことは無駄ではありませんでした。
意見が食い違うこもとあったけど、主人公にとってはどれも眩しい記憶です。
無難な人生を歩んでいたとしても活動を続けることはできます。
そして過去になれば不安で潰されそうになっていた時期も大切な記憶の1つ。
あの時に狂おしいほど悩んでいなければ「君」と出会うことはなかったのです。
将来のことはまだまだ不安なことでいっぱい。
君と進む道が違うことも分かっています。
そんな不安もひっくるめて今の想いを一生懸命叫んで、表現していく。
いずれ「君」との思い出を楽しく語ることができように、今を精一杯生きようという解釈ができます。
共感できる歌詞が特徴的
「アスノヨゾラ哨戒班」の動画コメントには多くの「共感した」という言葉があります。
その共感できる部分というのが1番最初の将来に対しての不安を表現した歌詞ではないでしょうか。
将来や未来への不安というのはどの年代の人でも抱えているものです。
その誰でも抱えている気持ちを上手く歌詞で伝えることができているのが多くの人に伝わったのでしょう。