ありあまるロマンス
ちなみに「Zidane」を含むアルバム『D.A.N.』がリリースされたのは2016年4月。
ゲスの極み乙女。の3rdシングル「ロマンスがありあまる」がリリースされたのは2015年6月。
ありあまるロマンスについて報道されたのは2016年1月……。
具体的には提示されていない「ありふれたロマンス」はひねりの利いた名言だったのでしょうか。
※注:あくまで独自の妄想です。
少なすぎる歌詞の世界を独自に深追い♪
で?って話になりますよね。
たった4行のフレーズをさらにまとめると「恋をあきらめて溺れたような状態の女性」。
登場人物はわかった。その女性の心情もざっくりとイメージできた。
だから?
その先の展開はありません。前半で2回、後半で1回、このパターンが繰り返されるだけです。
この少なすぎる歌詞の世界についてもう少し独自に掘り下げてみましょう。
ゲスな妄想は的外れ
D.A.N.の全歌詞を書いているのはボーカル&ギター&シンセの櫻木大悟さん。
特徴的なファルセットボイスもサウンドの一部と考えているそう。
作詞をするときに重きをおいているのが言葉の響き。つまり音感。
だからといってまったく意味のない言葉が羅列されているわけでもなし。
大切にしているのは抽象的なイメージが広がるかどうかだとか。
となると空想は大いに歓迎されそうですが、ゲスな妄想はまったく的外れになるはずです。
独自解釈
ここでゲス方向ではない大胆な独自解釈をひとつ。
歌詞にある「ありふれたロマンス」を「普通のラブソング」と仮定します。
その心は「普通のラブソングを奏でることをあきらめたD.A.N.」ではないでしょうか。
「Zidane」は1stアルバム『D.A.N.』のオープニングを飾ります。
これからD.A.N.としては「気持ち良く踊れる曲」を始めますよ。
そういう宣言。
皆さん踊りを忘れていませんか?
どうにもならない日常はあきらめたほうが幸いだしまとも。気持ちよく踊りましょう!という話。
そう解釈する根拠は実際に「Zidane」が「普通のラブソング」みたいじゃないから。
曲の構成は一見「普通のラブソング」ですが、歌詞にストーリー性はないし、歌までミニマル。
「気持ち良く踊れる曲」になっているからです。冒頭で説明した話につながりますよね。
ただしこれはまったくの独自解釈であって正解かどうかはわかりません。
歌も楽器!歌詞との一体感が凄いサウンド
歌詞を解釈するうえでサウンド面の話も欠かせませんので少々。
ベースはデトロイトハウス
「Zidane」は最初の約20秒こそシンセのゆったりとした音色だけですが、後はもうリズム合戦。
とくにベースがメインといってもいいほど強調されているのはD.A.N.の楽曲すべてに共通する話。
こうした音質のデザインはサウンドエンジニアの葛西敏彦さんの手腕。
また「Zidane」のベースはデトロイトハウスのセオ・パリッシュにインスパイアされたとか。
ドラムはアフロビートっぽいジャーマンテクノ
「Zidane」のドラムパターンのインスパイア元は2人いるそう。
ひとりはジャーマンテクノの重鎮モーリッツ・フォン・オズワルド。