アルバム「Sonatine」収録の「Borderland」
絶妙なサウンドが癖になる!
独創的なサウンドが魅力のD.A.N.。
今回は2018年7月18日発売のアルバム「Sonatine」に収録されている「Borderland」をピックアップします。
この楽曲の魅力は何といっても、その音作り!
ミュートがかったベースとシンセサイザーの対照的な音色がぶつかり合い、楽曲全体のバランスを支えています。
そしてそこにアクセントとして足される「歌声のサンプル」が絶妙。
まるでパーカッションのように短い「フレーズ」をループさせているのです。
ドラムのグルーヴ感ももちろん素敵なのですが、この「歌声」が最もリズムに味を出していると思います。
ギターのようにベースを操る
先ほど「ベース」とシンセサイザーで音色を作っていると前述しました。
ギターのようにも聞こえる音色や奏法ですが、彼らはベースでその音を再現するのです。
筆者も最初は「この音は何なんだろう?」と疑問に感じました。
ライブ映像でも確認してみたのですが、確かにそこには5弦ベースを奏でる姿が…。
ベースを使用するため、音色はギターほど前に出ていません。
でも、それが素晴らしい「味」を生み出しているのではないでしょうか。
D.A.N.の演出を覗いてみよう
ライブバージョンも素敵
YouTubeには「Borderland」のライブ映像がアップされています。
ライブバージョンだと、浮遊感漂うボーカルの魅力がたっぷり味わえて素敵ですね!
暗闇の中でのパフォーマンスは、より感覚が研ぎ澄まされて音楽の世界に引き込まれることでしょう。
照明に頼ったシンプルな演出だからこそ、削ぎ落されたシンプルなサウンドが際立ちます。
歌詞を読み解くにあたって
独特な言い回しの意図
ここからは「Borderland」の歌詞の意味を解説していきます。
浮遊感のあるボーカルと同じく、ぼんやりと霧がかかった様な抽象的な歌詞が多い彼ら。
曖昧な言い回しに「具体的な意味が掴めないな…」と疑問を持つこともあるのではないでしょうか?
彼らは音楽を通して「共感覚」を表現しようとしているとのことです。
つまり、感覚的な要素を重視する結果、あえてぼんやりとした言い回しを使っているということ。
そのため、この記事では彼が何を伝えたいのか読み取るためのポイントを押さえ、解説していきます。
繊細な情緒に注目
「不安」を感じつつも…
ああ もう 当然
言い分 もうない
ああ 猛烈に
現状を 変えたい
安心は大概 簡単ではない
運命は大体 信用できない
出典: Borderland/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:Daigo Sakuragi
冒頭では何かを後悔しているような表現がなされています。
失敗を経験したのでしょうか?
「変わりたい」という上昇志向も感じ取れます。
そして、アルバム「Sonatine」の中で頻繁に登場する「不安」や「安心」といった表現がここでも登場。
不安を感じつつも、待ち受ける未来を受け入れている。
そんな不安定だけど焦りのない精神状態を読み取ることができます。