20世紀から21世紀へ。SUPERCARが駆け抜けた軌跡

2018年はSUPERCARデビュー20周年

SUPERCAR(スーパーカー)【YUMEGIWA LAST BOY】歌詞解釈!独特の浮遊感にハマるの画像

20世紀の終焉と共に姿を現し21世紀の初頭に活動を終えたSUPERCAR(以下スーパーカー)

わずか10年の活動期間、日本の音楽シーンに与えた影響は計り知れません

平成が終わりを遂げようとしている2018年はスーパーカーのデビュー20周年にあたります。

これは何かの偶然なのでしょうか?

時代の変わり目には常に彼らのサウンドが聴こえていたかのような錯覚に陥ります。

20th Anniversary Best「PERMAFROST」をリリース

SUPERCAR(スーパーカー)【YUMEGIWA LAST BOY】歌詞解釈!独特の浮遊感にハマるの画像

20周年を記念してオリジナルアルバム5作をアナログ盤でリリースしたスーパーカー。

2018年4月25日には20th Anniversary Best「PERMAFROST」もリリース。

シングル曲を網羅した内容は初めて彼らのサウンドに触れるのに最適な選曲です。

若い世代の方には名前は聞いたことがあるけど...という方も多いでしょう。

一聴すれば現在の音楽シーンにどれだけスーパーカーの遺伝子が残されているのかお分かりいただけると思います。

そこで今回解説したいのがベスト盤にも収録さてれいる「YOMEGIWA LAST BOY」

中期スーパーカーの代表曲であり現在のポップミュージックにもっとも影響を与えた楽曲です。

松本大洋原作の実写版映画「ピンポン」の主題歌としてご存知の方も多いかと思います。

「YUMEGIWA LAST BOY」の歌詞には中期~後期スーパーカーの独特の魅力が詰まっているのです!

4thアルバム「HIGHVISION」に収録

SUPERCAR(スーパーカー)【YUMEGIWA LAST BOY】歌詞解釈!独特の浮遊感にハマるの画像

「YUMEGIWA LAST BOY」のリリースは2001年11月21日。

21世紀最初の年が終わりを告げるタイミングで発表されました。

当時からメンバーが傾倒していたエレクトロニカを前面的に押し出した記念碑的作品です。

その後シングル「AOHARU YOUTH」を2003年2月にリリース。

同年4月に中期スーパーカーの完成形ともいえる4thアルバム「HIGHVISION」を発表します。

クロード・モネのような色彩のお馴染みのアートワークも含め彼らの作品の中でも異色の1枚です。

個性的なアートワーク

SUPERCAR(スーパーカー)【YUMEGIWA LAST BOY】歌詞解釈!独特の浮遊感にハマるの画像

スーパーカーのアートワークはデビュー作から一貫しています。

Central67の木村豊さんが全てのアートワークを担当

木村さんはぼくりりアジカンの個性的なアートワークを制作している人物です。

「AOHARU YOUTH」をはじめとして広告のパロディ現代アートのようなハイファイなデザインで統一。

それが「HIGHVISION」のみピンボケ気味の湖の写真がそのまま採用されています。

スーパーカーの中でも過渡期に制作されたアルバムであることがデザインも含め端緒なのです。

「YUMEGIWA LAST BOY」の歌詞を検証

SUPERCAR(スーパーカー)【YUMEGIWA LAST BOY】歌詞解釈!独特の浮遊感にハマるの画像

「Strobolights」以降の楽曲はサウンドと同様に歌詞もよりミニマルな構成になってゆきます。

「YUMEGIWA LAST BOY」の歌詞はよりその指向が顕著です。

夢際のラストボーイ 永遠なる無限 触れていたい夢幻

夢際のラストボーイ 永遠なる夢限 揺れていたい夢幻

崇いサポートの礼に 崇いサポートの礼に

崇い未来への礼に 自然と愛への礼に

固い誓いへの礼に 崇いサポートの礼に

崇いサポートの礼に 崇いサポートの礼に

出典: YUMEGIWA LAST BOY/作詞:石渡 淳治 作曲:中村 弘二

4分12秒という楽曲の長さに対してここまで言葉を削ぎ落した作品は珍しいでしょう。

しかし作品を通して聴くとそのことがまったく気になりません。

スーパーカーの楽曲制作はほとんどが分業制です。

ほぼ全曲の作詞をいしわたり淳治さん、作曲はナカコーさんが担当していたと記憶しています。

言葉を1つの楽器として捉える

感情を抑制した歌唱法