「名探偵コナン」と歩み続けて

「ZEROからハジメテ」は倉木麻衣さんの2021年リリース曲。
音楽配信サービスから公開が始まりその後DVDとしても販売されています。
倉木さんは『名探偵コナン』のオープニング主題歌を2001年に初めて担当しました。
そして「ZEROからハジメテ」に至るまで、コナンの主題歌を担当したのは今回でなんと24曲になります。
コナンと密接な関係を築き上げてきた倉木さん。
共に成長を続けてきたことからその強い想いが歌に表れている曲です。
「再起動」
歴史を刻んでいく
「ZEROからハジメテ」は名探偵コナン放送1000回目の2021年3月6日に合わせて作られています。
さらにこの曲は倉木さんの曲の中では珍しくテンポが速くかっこいい雰囲気。
彼女自身の新しい姿やイメージとも重ね合わせているのだろうと考えられます。
コナンの放送1000回記念プロジェクトの第1弾は「ピアノソナタ『月光』殺人事件」を「再起動(リブート)」すること。
これは過去に放送されたアニメのうち神回として絶賛された作品で、リメイク放送され話題を呼んでいます。
さらに第2弾は「The Best of OPED」。
放送開始から25周年を迎えたコナンの全115本のオープニング・エンディング主題歌がYouTubeで公開されました。
そしてその中から投票によって人気曲第1位決定戦が行われたのです。
新しくエンジンをかけて
懐かしの25年間の歴史が刻まれたコナンを振り返りつつなお進化し続けていく姿はまさに「再起動」。
「再起動」とは再びスタートすることです。
倉木さんの新しい一面とコナンのRESTART、つまり「再起動」を掛け合わせているのかもしれません。
今回の新曲は20年間共に成長を遂げてきた倉木さんにとってコナンとは切り離せない関係にあることが分かります。
変化のない日々
漏れ出る想い
どうゆうの コノ 気持ちだけで…
そうゆうの フリ だけで行けるの?
everyday everynight
ただ同じ日々を…
出典: ZEROからハジメテ/作詞:倉木麻衣 作曲:Erik Lidbom・Jon Hallgren・youth case
時折流れるシンセサイザーのかっこいい音の響き。
ところどころ「シュワーン」という効果音が近未来感のある雰囲気を漂わせています。
曲調もリズミカルで今までにあまり聴いたことのない倉木麻衣の歌声がさっそく登場します。
そして気になるのは歌詞です。
冒頭の歌詞が日本語の文としては少し不自然ですが、どのような意図があるのでしょうか?
まるで思っていることがポツポツと口から単語になって漏れ出たかのような語り口で始まります。
表現されているのは毎日毎晩という意味の言葉や最後に下がっていく音形。
同じような日々をひたすら繰り返していることにネガティブな印象を持っているようです。
現状を変えたい気持ちが入っているのでしょう。
渦巻く
歌詞の1行目は「どのように言うのか」と「どのようなものか」のどちらにも考えられます。
いずれにしても主人公の抱えている気持ちがどのようなものか自分自身でもよく分かっていない。
またはうまく表現できないがもやもやした感じが心に渦巻いている様子を表しているのでしょう。
2行目は先ほどと同様に2つの解釈が出来ます。
「そのように言うの?」と捉えた場合は誰かのアドバイスや自分の気持ちの代弁があったのでしょう。
それでも何だか納得していない様子が脳裏に浮かびます。
「そのようなフリ」と捉えるとどうでしょうか。
「今から行きます」と簡単な宣言や動き出す振り(素振り)をするだけで本当に前へ進めるのか疑問。
なかなか行動に移せないけれど何も変わり映えしない今をとにかく変えたいと思っているのです。