別れた彼女を思う名曲!
スカボロー・フェアは別れてしまった(生死不明)彼女を思う、男性のはかない気分を表現した名曲です。
出だしから、優しくも切なさを漂わすギターの音色が主人公の気持ちを代弁しています。
この楽曲は、サイモンとガーファンクルのデュオによって世界的にヒットした曲となりました。
そしてLyrico(現,露崎晴女)も、この曲をカバーしている1人です。
スカボロー(スカ―バラ)という街に出向く用事のある、とある人にお願いする口調で曲は進行していきます。
海に面したスカ―バラは、リゾート地。観光名所です。
そんな街で男性は、別れた彼女と暮らしていました。
しかし、どうして別れてしまったのか?それについての詳細はありません。
曲は、そんな過去の経緯には一切触れずに美しいメロディラインで始ってゆくのです。
スカボロー・フェアとは何?
スカボロー・フェアの実態とは?
歌詞の紹介の前に、まず「スカボロー・フェア」がどういった意味なのかを触れておきましょう。
『スカボロー・フェア』(スカーバラの市、Scarborough Fair)はイギリスの伝統的バラッドである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/スカボロー・フェア
スカボロー・フェアとは、スカ―バラという街で行われる「市」ということなのです。
さらにこの曲は、過去の出来事を伝承したバラッド形式となっています。
そして残念ながら、バラッドを取り入れたお話は、破局がお決まりです。
ということは、「スカボロー・フェア」は、男女の平凡な別れを歌った曲だったのでしょうか?
このテーマの答えは、このあと歌詞を紐解いていって判明するでしょう。
その前にスカ―バラの市についての説明をもう少し加えていきます。
海に面した美しい観光名所
スカーブラは、イングランド・ノース・ヨークシャーの北海海岸沿いのタウン。現在の町は海抜3〜70メートルの高さに、北側、西側の大理石の崖にせりあがるように位置している。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/スカーブラ_(イングランド)
スカ―バラ市(スカボロー)は、イングランドの海に面した観光リゾート地でもあるのです。
歌詞に登場する主人公の男性は、この街で別れた女性と暮らしていたのでした。
そして、別れてしまってから何年かが過ぎた時。
ちょうど、何かの用事でスカボローに出向く人に、主人公が伝言を頼む形で曲はいよいよスタートしていくのです。
もう一度、愛を取り戻したい
Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine.
出典: スカボロー・フェア/作詞:Paul Simon,Arthur Ira Garfunkel 作曲:Paul Simon,Arthur Ira Garfunkel
伝承的な男女の愛の末路を歌う「スカボロー・フェア」。
始まりの歌詞の和訳はこのようになります。
スカボローフェアに行きますか?
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そこに住んでいる人に私を覚えて
一度は彼女は私の真の愛でした。
出典: スカボロー・フェア/作詞:Paul Simon,Arthur Ira Garfunkel 作曲:Paul Simon,Arthur Ira Garfunkel
歌詞の始まりは、いかにも牧歌的で和やかな印象を与えます。
主人公の男性は、スカボローの近くに何かの用事でやってきました。
そして、たまたま知り合った見知らぬ人に尋ねるのです。いえ、むしろささやくのです。
あの街で、とても愛し合っていた女性と暮らしていました。
家には、たくさんのハーブが栽培されていました。
ハーブは、彼女にとったら大好物。
だから、男性も生活の一部としてハーブを毎日いただいていたのです。
このように、男性は昔の事を見知らぬ人に切々と話します。
そんな愛に満ちた生活を送っていたはずなのに、どうして今は別れてしまっているのか?
曲はこのあと、謎解きのような歌詞が続いていきます。