TikTokで話題となった「IMAWANOKIWA」

2019年にリリースしたいよわの11曲目の楽曲「IMAWANOKIWA」。
1stアルバムの「ねむるピンクノイズ」に収録されています。
初音ミクの歌う高音と早口が特徴的な「IMAWANOKIWA」は死を連想させる切ない楽曲です。
「IMAWANOKIWA」は漢字で書くと「今際の際」。
死ぬ間際を意味します。
大切な人を失ったときの言葉にならない気持ち。
もう生きていけないと思うほど自暴自棄に…。
そんな人の脆さが感じられる1曲です。
重たいテーマでありながらもMVのイラストはかわいらしく描かれています。
かわいい中にも何かを訴えているように感じる独特な雰囲気。
これらは全ていよわ自身が手掛けています。
対照的に描かれたイラストが特徴的なMVにも注目です。
夢見る日々
ドラマを見るのが好きだった
甘いハッピーエンドに浸っては眠るのが好きだった
窓から差し込む光とそよ風が朝を教えた
出典: IMAWANOKIWA/作詞:いよわ 作曲:いよわ
冒頭は自身の願望が描かれています。
恋が成就したり、目標を達成したりして訪れるハッピーエンド。
曲の主人公はそんな幸せなストーリーの余韻に浸るのが好きでした。
自分も同じように、結婚したり子どもを産んだりして幸せな家庭を築きたい。
そんな素敵な未来を想像しながらいつも眠っていたのでしょう。
そしていつも通りの朝を迎えて、普段と同じ日常を送っているのです。
現実
布団の中さえ冷えていた朝に
誰にも会いたくなくなって太陽を睨んでいた
結露越しの街に 白い翼を見た その四肢を見た
間違いなくあなたは私の天使だ
出典: IMAWANOKIWA/作詞:いよわ 作曲:いよわ
冒頭で歌っていたように幸せな気持ちのまま眠っていた主人公。
いつも通り、何事もなく平和に朝を迎えていたはずでした。
しかし事態は一変。
眠ることができないほど悲しく、辛いことが起こったのです。
人と会うことさえも嫌になる主人公。
しかしそんな気持ちとは裏腹に、外は眩しいほどにいい天気です。
そんなとき、ふと窓際を見ると外に天使が見えたのです。
この天使という表現から、大切な人を失ったということがわかります。
白い翼が生えたその天使は紛れもなく私の愛しくて大切な人。
眠ることもできず、悲しさに明け暮れる私を心配して会いに来てくれたのかもしれません。
少しでも長く一緒にいたい
奪われた命
甘いエンジェルヘイロー
仰いだ哀れなサクリファイス
幸福の定義さえ覆るほどに綺麗なその瞳に
全てを奪われた
出典: IMAWANOKIWA/作詞:いよわ 作曲:いよわ
天使となって目の前に現れた大切な人は、神様に命を奪われたのです。
幸せにしてくれると思っていた神様。
どうして私の大切な人が犠牲にならないといけなかったのか…。
曲の中の主人公はまだ現実を受け入れられないのです。
目の前の輝く天使を見ながら、大切な人を守れなかった後悔。
どうして連れ去ったのかという行き場のない怒り。
そしてもうこの先の未来を一緒に過ごすことができないという悲しさ。
そんないろんな感情が渦巻いています。
特別な瞬間
もう嫌んなったの全部 今はひたすらあなたと
もっと もうちょっと居たいなって 思った
暗いほうは見ないで抱きしめた
出典: IMAWANOKIWA/作詞:いよわ 作曲:いよわ
これから先、自分1人で歩いていく未来は何も楽しくありません。
今まで当たり前に共有していた嬉しさや楽しさ。
そんな簡単なことがもう一生できないと思うとやるせないのです。
あなたのいない世界なんて生きていけない。
そう思うほどに私を取り巻く全てが嫌になりました。
それでも今目の前にもう1度現れてくれた天使の姿をした大切な人。
きっとこの時間も長くはないと主人公はわかっています。
だからこそ会えているこの瞬間を大切にしたいのです。
天使なんて現実ではありえないかもしれません。
それでも暗い未来しかない現実から目を背けて、今だけはあなたを抱きしめていたいのです。