また違う弾丸が肌に当たった

でも今日は全て跳ね返す

わたしたちはバリケードを破って

太陽に手を伸ばしていく

わたしたちは戦士です

戦うためにわたしたちは姿を変えました

この序盤のフレーズはサーカス団の仲間である男性が歌います。

彼もまたコンプレックスを抱えている1人であり、初めは心を閉ざしていました。

しかし自分をさらけ出して仲間へのエネルギーを送ったレティの姿を見て情熱がこみ上げたのでしょう。

前を向いて歩き出したいという熱い決意が伝わってきます。

そしてともに戦う覚悟が決まり、"戦士"になる勇気が出たのです。

自分ひとりではなく、一緒に立ち向かっていく仲間の存在の大きさが分かります。

彼女たちが求めるものとは

戦おう!と奮起する彼女たちですが、本当に求めるものとは何でしょうか?

後半、涙が溢れそうになりながらレティが歌うフレーズにその答えが隠されていました。

And I know that I deserve your love
There’s nothing I’m not worthy of

出典: This is me/作詞:Benj Pasek、Justin Paul 作曲:Benj Pasek、Justin Paul

私にも愛される価値がある

相応しくないものは

何ひとつない

この歌詞にもあるように、彼女達が求め勝ち取りたいものとは"愛"なのです。

どんな容姿であろうとも誰だって愛される資格はあります。

この言葉が心からの叫びであることがレティの表情からも痛切に感じられるのです。

"愛されたい"という誰もが当たり前に欲するものを、彼女たちはより深く求めているのでしょう。

自らを鼓舞せよ!

本心をストレートに歌っている曲ですが、それぞれのフレーズには様々な気持ちが隠されていると読み解けます。

Look out ‘cause here I come
And I’m marching on to the beat I drum
I’m not scared to be seen
I make no apologies, this is me

出典: This is me/作詞:Benj Pasek、Justin Paul 作曲:Benj Pasek、Justin Paul

ここにいるから見ててね

ドラムのビートにのって行進する

見られるのなんか怖くない

謝りません、これがわたし

この歌詞の中で"ドラム"というフレーズがあります。

劇中でも歌いながら足を踏み鳴らし、手や体を打ち鳴らして彼女たちは踊っています。

まるで本当に自分でドラム演奏をしているような状態です。

これは自分の人生を誰かの言葉に左右されず、自分自身で進んでいくという決意なのでしょう。

今までコンプレックスだったことをむしろポジティブに考えてパフォーマンスをする場所。

それこそが彼女たちに与えられた使命であり居場所なのです。

強くなれた理由

この曲を歌う中で初めはビクビクしていた彼女も何も怖れない強い姿へと変わります。

なぜ、ここまで変わることができたのでしょうか。

その理由こそがこの曲のメインテーマなのです。

徐々に意味が変わる「this is me」

タイトルにもなっていて、曲中にも繰り返し登場するのが「this is me」。

"これがわたし"と歌うレティには、初めは怒りの感情が滲み出ていました。

自身の容姿を馬鹿にして蔑んできた周囲に対しての怒り…。

そして自分はやっぱり誰からも受け入れられないんだという寂しさも窺えます。

しかし曲が後半に差しかかるにつれて、レティの感情に光が差し込むのです。

それは彼女が愛されたいという本心を認めたからではないでしょうか。

誰もが当たり前に望んでいいものを自分は望んではいけないと思っていました。

でも自分にも仲間と呼べる存在ができたことにより、前を向けるようになったのです。

映画楽曲を通して、コンプレックスと才能は紙一重であることを感じます。

それを生かすも殺すも自分次第なのでしょう。

最後のフレーズには、自分を誇るような気持ちさえも感じ取れます。

この変わっていく「this is me」にこそ、彼女たちが強くなっていく様子が表現されていました。

何も怖れないのは、〇〇に勝利したから

彼女たちが何も怖れず、堂々とすることができた理由…。

それはまさに"自分自身に勝利したから"でしょう。

コンプレックスによって負った心の傷に向き合い、仲間とともに前を向いたレティ。

覚悟を決めて戦おうとした相手は、蔑んできた周囲だけでなく"自分自身"だったのです。

見事にコンプレックスを昇華し、暗闇の自分自身に勝利したからこそ何も怖れない強さを手に入れました。

最後に