本当は寂しくて堪らない

サビで溢れだす「寂しい」気持ち

あんたがおれへんから 何食べても味ないし
あんたがおれへんから 楽しないし
あんたがおれへんから 独り言も多なるし
なんやかんやいうて あんたが 好きなんよ

出典: あんた/作詞:ティーナ・カリーナ 作曲:ティーナ・カリーナ

多くの共感を生んだサビに入りました。

日常の出来事を関西弁で語ることによって、リアリティがいっそう増しているように感じられます。

「あんた」と過ごす時間が自分の生活の一部のようになっていたのでしょう。

会話しながらの食事は、一段とご飯が美味しく感じますね。

それに比べ一人での食事は喋る相手が居ません。

ついつい考えにふけってしまうのではないでしょうか。

考えだすと食べているご飯の味に意識を向ける余裕もなくなっていきます…。

喋る相手が居ない生活の中で「独り言が増える」というのも、リアルに寂しさが伝わる表現。

でも、どれだけ思い悩んでも「あんたを好き」という気持ちは消えることがない。

どうしようもない気持ちがグルグルと回っているのが伝わります。

ちょっとくらい嫉妬してほしい

こう見えても こっちではあたし 結構モテるねんで
ぼやぼやしてたら 他の男に取られんで

出典: あんた/作詞:ティーナ・カリーナ 作曲:ティーナ・カリーナ

彼を待っている間、他の男性にアプローチをされながらも断ってきたようですね。

この「あんた」に話しかけるような言い方にはどんな意味があるのでしょうか?

夢に夢中になって主人公に背を向けたままの「あんた」。

主人公の「平気だよ」というメッセージに安心しきってしまったのかもしれません。

でも「平気」といってはいても、夢の邪魔をしたくないと思っての強がり。

実際は辛い気持ちを抱えながらも抑え込んでいたのでしょう。

「彼にこっちを向いてほしい」とか「嫉妬して焦ってほしい」。

そんな抑え込んだ思いを伝える手段として、このフレーズを言ったのかもしれません。

愛情に飢えながらも他の男性からの愛情を断るというのは、とても虚しい気持ちになってしまいますね。

すれ違っている感覚

こんなに想っているのに わかり合えへんのは なんでやろ

出典: あんた/作詞:ティーナ・カリーナ 作曲:ティーナ・カリーナ

今までの歌詞から、主人公の「あんた」に向ける深い愛情が感じられました。

でも、どれだけ深く想っても「あんた」はそばに居てくれない…。

そんな現状に、心の隔たりを感じているのでしょう。

お互いの向いている方向が違う印象を受けますね。

溢れだす不安が止まらない

心が崩れ落ちる

ティーナ・カリーナ【あんた】泣ける歌詞の意味を解説!夢を選んだ彼を嫌いになれへん…その想いに泣けるの画像

あんたがおれへんから めちゃくちゃ不安になるし
あんたがおれへんから 笑えへんし
あんたがおれへんから あほみたいに泣けるし
どうしょうもない事 あたしも わかってるんよ

出典: あんた/作詞:ティーナ・カリーナ 作曲:ティーナ・カリーナ

考え込んだ末、心がボロボロと崩れ始めました。

将来が見えない日常に感じる「不安」。

彼を心から信じて待っているからこそ「不安」はより増します。

憂鬱な気分に浸りすぎると、ぼーっとしては泣くのを繰り返してしまう…。

そんな状況で「笑う」なんてことはできないでしょう。

最後の行に注目してみましょう。

主人公が分かっているのは「この先の未来に確証がない」こと。

待ち続けても、それが報われるとは限りません。

彼の夢が叶うのかどうか…。

自分のもとへ帰って来ようと思う余地があるかどうか…。

冷静に考えれば無謀だと分かる今、「好き」という気持ちしかモチベーションがありません。

せめて「彼が寄り添ってくれる」という実感があれば、何か変わるのでしょう。

心の支えが無くなった

あんたがおれへんのに どこにもおれへんのに
手もつながれへんのに 抱きしめられへんのに
あかんたれで一人じゃ 上手に歩かれへんし
あんたの代わりなんか どこにも いてへんのよ

出典: あんた/作詞:ティーナ・カリーナ 作曲:ティーナ・カリーナ

このフレーズからは主人公の「支え」が無くなってしまったことがうかがえます。

「心の支え」である「あんた」。

それを失った主人公は、すがるあてもなく一人崩れ落ちてしまいました。

「歩けない」という表現には深い喪失感が現れています。

心が沈みきると「周囲が見えない」感覚になり、やがて歩いたり立ち上がることさえも苦痛に…。

「あんた」が居なくなったからといって、他に「心の支え」になれる人なんていないのです。

「あんた」じゃないとダメなのです。

でも、彼は自分の夢を叶えるために離れ離れでも活き活きとしている…。

そんな2人の心情のギャップも表現しているのかもしれません。