昭和60~61年の大ヒット曲「熱き心に」

【小林旭/熱き心に】歌詞から読み取れる主人公の愛の形とは?徹底解釈!多くの人の心を打ったヒット曲の画像

「熱き心に」は、1985年11月20日小林旭(こばやし あきら)がリリースした124枚目(!)のシングルです。

1985年=昭和60年ですので、ほぼ昭和末期ということになります。

この時点で既に124枚って、超びっくりですよね!

どれほど長く愛され続けてきた歌手か、これだけでもよ~く分かります。

作詞は「昭和の大作詞家」阿久悠作曲は「日本ポップス界の牽引者」大瀧詠一です。

この二人が制作した楽曲を小林旭が歌う……それはもう大ヒット間違いなしでしょう!

実際「熱き心に」は累計で約37.6万枚を売り上げました。

そして1986年のシングル年間チャートでは第20位にランクイン。

この年間チャートを50位まで見てみたのですが、「熱き心に」以外すべて若者向けの楽曲でした。

中高年層だけではなく、当時の若者にも支持を得られたという証明ですね。

味の素AGFのインスタントコーヒー「マキシム」のCMで使われたのも、多少影響しているかもしれません。

それにしても凄すぎ!

当然の如く、同年の日本レコード大賞において各賞を受賞しています。

この辺りの情報をまとめたWikipediaのページがとても面白かったので、ご紹介しておきますね。

「マイトガイ」小林旭について

デビューは俳優として

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画像はマンガ・アニメ『NARUTO-ナルト-』マイト・ガイ(笑)

小林旭のニックネーム「マイトガイ」からのネーミングという説が濃厚らしいですよ。

1960年代生まれの筆者でさえ「マイトガイ」と聞くと『NARUTO-ナルト-』を連想してしまいます。

読者の皆さんはほぼ間違いなく筆者より若いでしょうから、尚更こちらを思い浮かべるのではないでしょうか。

ということで、小林旭についてごく簡単にご紹介します。

生年月日は1938年11月3日。今年2018年に80歳になるのですね!

俳優デビューは1956年。その2年後の1958年に歌手としてもデビューします。

1959年公開の映画『銀座旋風児』(ぎんざマイトガイ)から「マイトガイ」のニックネームがついたとか。

「マイト」は「ダイナマイト」の略、「ガイ」は英語の「Guy」。合わせて「ダイナマイトのような男」という意味です。

しかし「旋風児」で「マイトガイ」……普通読めません……。

この映画はシリーズとして6作品が制作されるほど大人気で、主題歌や挿入歌も小林旭が歌っていました。

リリースしたシングルは、2018年9月現在で158枚!! 最新作は今年2月の「人生思い出橋」です。

今もバリバリの現役なのですね!

阿久悠×大瀧詠一による楽曲

なぜこの2人が楽曲制作を?

そもそも大瀧詠一は、昔から小林旭の大ファンでした。

「ナイアガラー」と呼ばれる大瀧詠一のコアなファンの間では、とても有名な話です。

そんな彼が念願叶い、ついに小林旭へ楽曲提供をすることになったのでした。

大瀧詠一が作曲したものの歌詞は松本隆が書くというのが、定番中の定番。

それがなぜ今回阿久悠になったのでしょうか?

これは大瀧詠一自らの依頼によるものだそうです。

松本隆の詞は都会的で、歌手としての小林旭には似合わないという理由でした。

実際この曲を聴き、その歌詞の内容と小林旭の声質をあわせて考えると、とても納得がいきます。

日本歌謡界の至宝=阿久悠

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阿久悠の偉大さは、以下の記録を見てもらえば一目瞭然です。

・日本レコード大賞受賞曲が5曲(2018年時点で史上最多)

・日本レコード大賞・作詞賞が7曲(同上)

・オリコンシングル売り上げ枚数(作詞家)第2位(1位は秋元康、3位は松本隆)

・オリコンチャート1位独占25週連続(1977年・年間総合39週)

他にも色々あるのですよ! 

まさに、歌謡界の至宝と呼ぶべき存在です。

2007年に70歳で亡くなられたのが、非常に惜しまれます……。

これぞナイアガラサウンド=大瀧詠一

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松田聖子薬師丸ひろ子小泉今日子などのアイドルにも楽曲提供をしてきた大瀧詠一

彼の作り上げる音はナイアガラサウンドと称され、ファン以外でも聴けばすぐ分かるほど。

敬愛する小林旭に捧げたこの「熱き心に」は、ナイアガラサウンドの集大成ともいえる力作になっています。

編曲も大瀧詠一ですが、ストリングス編曲はジャズピアニスト・編曲家の前田憲男です。

このストリングスも良いのですよ~!!

レコーディング時のこんなエピソードがあります。

2014年、大瀧の追悼番組にコメント出演した小林が「自分のレコーディングの終了後、大瀧が自分の入っていたヴォーカル・ブースに入り、同じマイクで歌っていた」と言うエピソードを明かした。ただ、今回発見されたセルフカバーがその時の歌唱なのかは明らかではない。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/熱き心に

大瀧詠一としては、小林旭と同じマイクで歌えるのが本当に嬉しかったのだと思います……。

画像でご紹介しているアルバム『DEBUT AGAIN』に「熱き心に」のセルフカバーが入っていますよ。

このアルバムはすべてセルフカバー楽曲で構成されていて、本当に貴重な音源も収録されています。

混声合唱団を従え、朗々と歌い上げる!