それとこれとは話は別だって
言い聞かせてはみてるけど
5年後10年後の日々を
気にしながら怖くなる事はないかい

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

毎日が単調に過ぎ去るからといって、それが未来に悪い影響を及ぼすとは限りません。

それでも、主人公は将来の自分を想像してみた時、そんな毎日を続けていていいのかと不安になります。

問いかけられることで、聞き手も自分の人生に思いを馳せてしまいますね。

泣きたくない日なんてないけれど
今のこの日々も悪くないよな

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

ここまで見てきたように、主人公は今の生活に満足しておらず、毎日泣きたいほどつらく思っています。

それでも、悪くないと言えるのはなぜなのでしょう?

歌詞の続きを見てみます。

電車に乗りながら

過ぎ去った青春

夜の中央線、長い道
後方に流れる、光る町
到着は九時五十八分
誰かとの約束なんてない

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

長い線路と街の灯りという夜の電車の車窓からの風景が描かれます。

誰かと約束しているわけでもなく、あてもなく電車に乗っている主人公の虚しさが伝わってきます。

夜の中央線、長い道
後方に流れる、光る町
切符に踊る青い春の文字
憎たらしくて逸らした目に写るのは街の星

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

青い春の文字が踊る切符とは、青春18切符のことだと思われます。

青春18切符は、期間限定でJRの普通列車に乗り放題になる切符のこと。

主人公はこの切符を使って、あてもなくどこか遠くへ旅しようとしているのだと想像できます。

しかし、その「青春」の文字に苛立ってしまう主人公。

青春」という言葉の楽しげなイメージと現在の自分がかけ離れていることに腹が立つのでしょう。

平凡な日々に見出す希望

そんな切符から目を離して外を見ると、車窓から見えるのはきらめく街の灯り。

ただの街灯りを「星」と表現していることから、主人公はそれを綺麗だと思っていることがわかります。

街の灯りは、たくさんの人々のそれぞれの生活を象徴するもの。

そのひとつひとつがとてもきれいなかけがえのない尊いものに思える。

そのことに主人公は救われたような気持ちになります。

今のこの日々も悪くないよな

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

前に出てきたこの歌詞の意味もここから意味が少しずつわかってきます。

少し目線を変えてみれば、どんな人の暮らしにもきらめく光のような希望を見つけることができる。

そんな気持ちから出てきた歌詞なのでしょう。

平凡な日々も悪くない

「素晴らしい日々」という言葉に込められたもの

ここから2番に入っていきます。