斜に構えすぎて逆さになった
頭で薄々気づくのは
暮らしの重みが軽い事
自分に才能が無い事

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

物事を斜めから見すぎて、「逆さ」つまり完全なマイナス思考になってしまった主人公。

毎日の暮らしがつまらない、自分には特別な才能が無いなど、マイナスなことが頭に浮かんでしまいます。

言い逃れできる年を遠に過ぎ
妥協の妥協で暮らしても
起きて食って働いて食って
寝て起きたらまた素晴らしい日々だ

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

若さを言い訳にするには年をとりすぎてしまい、妥協を重ねて日々を送っている主人公。

繰り返される単調な毎日の中でも、その日々を素晴らしい日々と表現する。

ここには「平凡な日々も悪くない」という強がりや願いも込められているような気がします。

「君」って誰のこと?

夜の中央線、長い道
後方に流れる、光る町
どうしようもない事が増えたら
この歌を受け取ってくれないか

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

サビではまた電車に乗っている場面が描かれます。

この歌詞は、同じようにつらい日々を送る聞き手に向けられているようです。

夜の中央線、長い道
後方に流れる、暗い町
到着は九時五十八分
記憶が違わなきゃここから君の家が見えたね

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

ここで初めて「君」という言葉が出てきます。

歌詞からわかるように、主人公は昔この電車からその家を見ていたようです。

「君」は昔の友達でしょうか。

家を知っていて電車からも眺めていたことから、深い仲であった人だと推測できます。

キーワードは「列車」

様々な人が共有する空間

海の水平線、低い町
隣の席の人が持つ酒は
耐えきれなくなった時に使う
起死回生の奥の手なのかも

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

電車で隣の人がお酒を飲んでいるようです。

普通なら少し迷惑に思ってしまうかもしれません。

しかし主人公は、お酒で日々のつらさを紛らわせているのかもしれないその人のことを優しく見守ります。

自分にも思い当たるところがあるのかもしれませんね。

電車というのは様々な人々が偶然に同じ空間を共有するものです。

そんな空間で主人公は様々な人々の暮らしに思いを馳せています。

そうすることで自分の暮らしもかけがえのないものなのだと希望を見出すことができたのです。

ふたたび登場する「君」

空の放物線の下で見た
誰しもが追いかけた未来とは
程遠い現実を選んでも
誰も君を馬鹿にする権利なんかないってさ

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

ここで歌われている「君」は先ほど出てきた「君」と同一人物と考えることもできます。

しかし、聞き手に対して「君」と呼びかけてくれていると受け取ることもできるでしょう。

「昔想像していたような順風満帆の日々とはかけ離れていても、毎日を生き延びているだけで立派だ。」

そう認めてくれているような、とても勇気付けられる歌詞です。

夜の中央線、長い道
後方に流れる、光る町
どうしようもない事が増えても
どうか何か望んでくれないか

出典: 素晴らしい日々/作詞:荻野哲 作曲:時速36km

どうしようもないことばかりでも、なにかを望んだり願ったりする気持ちだけは忘れずに生きて欲しい。

ここにも呼びかけがあり、聞き手に語りかけてくれているように感じます。