全てを悟ったように、世の中に愛想を尽かしたふりをしてる主人公。

大多数が聴いている音楽では満たされなくて、サブカルチャーに手を出してみたり。

他人とは違う自分の道を進んでも、結局1人ぼっちは寂しいもので。

本当は「どうにかなりそう」なくらい寂しくてあなたに会いたい。

主人公の「生きづらい」性格が冒頭の歌詞で見事に表現されています。

大人になりきれない

尾崎豊の引用

ROCKETMAN【どうにかなりそう 】歌詞を解釈!露骨な行動とは?なぜどうにかなりそうなのかに迫るの画像

露骨な行動に振り回され
大人の対応になってない
盗んだバイクじゃあるまいし
小さなベッドは軋まない

出典: どうにかなりそう/作詞:ROCKETMAN 作曲:ROCKETMAN

2番の歌詞では「盗んだバイク」「ベッドは軋まない」というワードにどうしても注目してしまいます。

これは尾崎豊歌詞を引用したものです。

「盗んだバイク」は【15の夜】、「ベッドは軋まない」は【I Love You】からでしょう。

尾崎豊は思春期の代弁者ともいえるシンガーソングライターです。

直前の「大人の対応になってない」という歌詞からも、思春期の象徴として引用したと考えられます。

「露骨な行動」は思春期ならではの行動を指しているのでしょう。

いつまでも思春期でどうにかなりそう

いつでもあなたが好きすぎて
好きすぎて どうにかなりそう

出典: どうにかなりそう/作詞:ROCKETMAN 作曲:ROCKETMAN

1番で歌われた「流行りの歌より、みんなが知らない歌を聴きたい」というのも思春期あるあるです。

主人公が「生きづらさ」を感じているのは思春期の気持ちを持ち続けているからかもしれません。

自分の世界と、世間との間に大きな溝ができてしまっているのです。

尾崎豊もその溝による苦しみを多く歌ったシンガソングライターでした。

思春期の気持ちを持ち続けることは決して悪いことではありません。

ただ大人になると、色々なことに折り合いをつけて生きていくようになります。

自分が傷つかないため、他人を傷つけないために、自分の心に嘘をつくこともあるのです。

しかし主人公は大人の対応はできません。ただ純粋に。

いつまでもあの頃の気持ちのまま、あなたのことが好きすぎて「どうにかなりそう」なのです。

生きたいと逝きたい

軋まないベッドと気だるい朝

ROCKETMAN【どうにかなりそう 】歌詞を解釈!露骨な行動とは?なぜどうにかなりそうなのかに迫るの画像

眩しい光に包まれて
気だるい朝を迎えたい
やりきれないことは後回し
自分らしさを見失ってる

出典: どうにかなりそう/作詞:ROCKETMAN 作曲:ROCKETMAN

1番、2番の歌詞から主人公は「あなた」がたまらなく好きだということが伝わってきます。

そしてその恋は決して上手くいってはいないようです。

「気だるい朝」というとネガティブなイメージにもとれますが、そんな朝を「迎えたい」と歌われます。

これは2番で歌われた「ベッドは軋まない」から繋がっていると考えられます。

ベッドを軋ませて、つまり「あなた」と夜を共にして「気だるい朝を迎えたい」という願望です。

こうした性への想いも思春期の心情を表しているのでしょう。

自分らしさを見失うほどに、「どうにかなりそう」なのです。

性と死

いつでもあなたと逝きたくて
逝きたくて どうにかなりそう

出典: どうにかなりそう/作詞:ROCKETMAN 作曲:ROCKETMAN

「生きたくて」であっても全くおかしくないフレーズですが、あえて「逝きたくて」と歌われます。

生と死、漢字が違えば全く逆の意味です。

しかし「好きすぎて」という前置きがあるとどちらも同じベクトルの言葉になります。

「どうにかなりそう」なほど好きになってしまうと共に「逝きたく」もなるのかもしれません。

そして「逝きたくて」には直前のパートで登場した「性」の匂いも封じられています。

「どうにかなりそう」なほど「あなた」を求めていることが伝わるフレーズです。

自分の世界と世間との溝により生じる「生きづらさ」。

ひたすらに求める「あなた」が手に入らないもどかしさ。

【どうにかなりそう】はそんな「どうにかなりそう」な思春期の心情を描いた楽曲なのです。

「どうにかなりそう」に込められた2つの意味

ROCKETMAN【どうにかなりそう 】歌詞を解釈!露骨な行動とは?なぜどうにかなりそうなのかに迫るの画像

 この曲での「どうにかなりそう」という言葉は「おかしくなりそう」という風な意味で使われています。

しかし「どうにかなりそう」は「何とかなりそう」というニュアンスの言葉としても捉えることができます。

「どうにかなりそう」には2つの意味があるのです。

2020年のリリースにあたり、ふかわりょうはこのダブルミーニングを強調しています。

このコロナ禍でポップなサウンドに可愛いダンスをつけて「何とかなる」という想いを拡散したのです。

【どうにかなりそう】には思春期の葛藤を歌うと共に、今の世の中を元気づける想いも込められているのです!