これまでロクな人生を送ってこなかったということが1行目から伝わってきます。
築いてきたものすべてが壊わされ、自分は幸せになどなれないのだと悟ってきたのでしょう。
ドラマで描かれている彼の闇は人の手によってもたらせたものであり幸せはことごとくぶち壊されてきました。
まさに何度も見て来た景色。絶望はやがて無となり、無感情な人間を作り上げてしまうのです。
しかし彼は一筋の光を見つけ、これが自分の運命なのだと受け入れます。
ずっと探していたからこそ「やっと~」という言葉が出てくるのですね。
最後の行ではこれからの未来は自分で切り開いてみせる、そんな意思を感じます。
僕だけは裏切らないから
もう嘘はつかない
Give me a try
Don't need a lie
Give me a sign
僕だけは信じて
出典: Fight for your heart/作詞:Kanata Okajima 作曲:Jeff Miyahara、U、Kuraaki、Hori
多くの嘘をつき、人をだましてきた彼。
この運命が最後のチャンスであると彼自身わかっているかのような歌詞ですね。
嘘で固めた人生はもう終わりにしよう、そんな覚悟を決めたようです。
ここで出てくる「サイン」がドラマの中でも重要なポイントになっていました。
敵を欺くため、味方とだけの「サイン」が随所に盛り込まれているのです。
さらに「キミ=娘」とだけ交わされる「サイン」もまた、意味のあるものになっていきます。
「自分だけを信じてほしい」そんな言葉も出てきますね。
人を信じることのできない彼だからこそ、守ると決めた相手を命を懸けてでも守ろうとするのです。
本心は言えないけれど
Fighting for your heart
I'm fighting for your heart
Tonight
傷ついた心ならば 癒してあげる
分かち合える二人は 世界を変えるから
すべて捨てて 駆け抜けよう
Tonight、tonight
出典: Fight for your heart/作詞:Kanata Okajima 作曲:Jeff Miyahara、U、Kuraaki、Hori
ここで彼が想いを伝えたい相手は2人いると考察できます。
1人目は娘のはな。
彼女は重い病を患っていて、学校にも通えず入院生活を余儀なくされています。
友達と遊ぶことも勉強することも叶わず無菌室を出たり入ったり…。
飛び回って遊びたい盛りの少女には辛く厳しい現実でしょう。
このことを考えると1、2行目の意味は次のようになります。
1行目は「君の心のために戦え」と現実に負けるなと励ましている様子。
そして2行目は「僕は君の心のために戦う」という父親としての役目を果たそうという意志表示です。
2つの意味を持つこの英文は見事なまでにドラマの世界観を反映しているといえます。
そして4行目以降はかつて愛した女性で娘の母親のことだと考えらえます。
自分が傷つけてしまい、ずっと忘れられなかった相手。
彼女は自分に内緒ではなを生み、1人で育てていたのです。
その苦労を思うと、「これからは自分が彼女を守っていこう」と思ったのではないでしょうか。
決して口には出さない不器用さがありますが、本心ではこのように思っているのです。
僕の気持ちを分かって
ずっと言いたかった、この言葉
綺麗で どこか冷たい
君の瞳の色
大丈夫 もう泣かさない
僕が守るよ
出典: Fight for your heart/作詞:Kanata Okajima 作曲:Jeff Miyahara、U、Kuraaki、Hori
ドラマに出てくるはなの母親はまさにこの歌詞の人物像です。
そして彼女が淋し気で冷たい瞳なのは、自分が傷つけてきたからだと結城大地は思っているのでしょう。
というのも、別れ方が残酷だったのです。
彼女にちゃんと理由を告げないまま姿を消したため、彼女はあの頃の気持ちを引きずったまま。
お腹には新しい命。そして「堕せ」という冷たい一言だけを残していったのですから。
今更彼に会ったところで許せるはずもありません。はなのことがなければ…。
そして傷つけてしまったことを理解したうえで彼は心に誓うのです。
もう絶対に、二度と悲しませないと。
人生はやり直せるはず
やり直せると信じている
Give me a try
Don't need a lie
Give me a sign
まだ遅くはないさ
出典: Fight for your heart/作詞:Kanata Okajima 作曲:Jeff Miyahara、U、Kuraaki、Hori
今までのような嘘だらけの生き方はやめ、人生をやり直したい。
やり直すのにはまだ遅くない、そう思って自分を鼓舞しているようです。
ドラマの中でも見られることですが、彼は何度でも立ち上がります。
どん底をしっているからこそ、這い上がることができると知っているのです。
彼のその意思の強さと信じる気持ちを突き動かすのは、他でもない「はな」の存在。
人は変われる、人生はやり直せるのだということを私たちに伝えてくれているようです。