STU48待望の1stシングル

【STU48/暗闇】文学的な歌詞の世界を紐解く…!”暗闇”から見えるもの、聴こえるものとは?!の画像

国内で6番目(SDN48を含めると7番目)に発足したAKBグループであるSTU48

その1stシングルが「暗闇」です。

2017年5月3日にSTU48メンバーのお披露目があってから、わずか273日後の2018年1月31日発売された「暗闇」。

このCDデビューは、国内のAKBグループでは最速の記録です。

しかし、このCDデビューは当初予定だった2017年11月1日よりも3ヶ月ほど遅れたものだったのです。

グループとしても待望のシングル

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SDN48を除くAKBグループは、これまで国内外の地名から3文字をとってグループ名にしていました。

例えば、AKBは秋葉原、SKEは栄、JKTはジャカルタ(インドネシア)というように。

そして、それぞれの地名の場所、あるいはその付近に拠点をすえて活動をしています。

STU48の場合、何という地名の略号にしているかというと「瀬戸内(せとうち)」。

特定の都府県にあるエリアではなく、瀬戸内海を囲む7県という広域を拠点にしているのです。

劇場もどこかの都市ではなく、瀬戸内海を航行する船上に作るという構想が発表され話題になりました。

しかし、この船上劇場の建造は当初の予定より大幅に遅れています。

それに伴い、1stシングルの発売も延期。

きっと、メンバーも不安だったのではないかと思ったのですが、意外と前向きだったそうです。

『AKB48グループ ユニットシングル争奪じゃんけん大会in神戸ワールド記念ホール』で発表された新グループの発足。 それが2017年3月に誕生したSTU48です! STUはどの都市を指すのでしょうか?メンバーはどんな子? 2018年1月31にメジャーデビューを予定している彼女たちを詳しく解説します!

こちらの記事にて、当時のことを触れております。

1番の歌詞

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さて、「暗闇」という曲名。

アイドルのデビューシングルにしては、なかなか挑戦的というか、正直「暗い」イメージがあります。

しかし、歌詞を読んでみると、その"暗闇"が意味するものが見えてきます。

先に結論から言ってしまいますが、これは青春時代を過ごす学生の心境を歌ったものです。

どういうことか、順に書いていきたいと思います。

時間は夕暮れ

太陽は水平線の彼方を目指して
R を描き ただ落下する夕暮れに
何かをやり残してるような悔いはないのか?
僕はまだ帰りたくない

出典: 暗闇/作詞:秋元康 作曲:aokado

要約すれば「夕方になったけど、まだやり残したことがある気がするから帰宅したくない」。

主人公は、比較的時間もあり、自由に過ごせる生活を送っています。

そして、この主人公。なかなかの詩人です。

日が暮れる様子の描写がとても秀逸だと思います。

夕方の海岸で日が落ちる様子を見ると、一直線に沈むように見えるのですが、実際は弧を描いています。

"R"というのは、曲線半径のこと。高速道路の標識で見かけます。

つまり、主人公は太陽が動く軌跡を道路のカーブで表現しているのです。

「やりたいこと、やりたくないこと」って何だろう?

やりたいこと やりたくないこと やらされながら
理想と現実がごっちゃになっている日々
あの空とこの海がほら 分かれているように
交わらないものがあるってことさ

出典: 暗闇/作詞:秋元康 作曲:aokado

筆者が主人公のことを学生だと判断した理由がここに書かれています。

もし主人公が社会人であるならば、「生活の為」という割り切りもできること。

しかし、気持は拒否しているのに、外から強制されている、そんな感覚が主人公にあるのです。

  • 学ぶことは楽しいが、宿題やテストは嫌だ
  • 好きな教科と嫌いな教科がある
  • 面白い授業とつまらない授業がある

…こんな風に、楽しいことと、楽しくないことがない交ぜになっている感覚。

筆者も学生時代、そんな感覚を持った記憶があります。

本当は、色々なことをもっとはっきりさせたい。

それは、晴れた夕暮れ時の空と海が、はっきりと水平線で区別できるように…

主人公自身の中に、モヤモヤとした葛藤があるのだと感じました。

離れた友と自分の心境を重ねる