子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」で披露された歌

【およげ!たいやきくん/子門真人】歌詞を解釈!実はサラリーマンの歌?童謡に込められた社会風刺を紐解くの画像

日本人なら一度は聴いたことがあるであろう楽曲およげ!たいやきくん」。

子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」で初めてこの楽曲が披露され、そこから一気にヒットしました。

この楽曲のCDがリリースされた当時の様子については、以下の通りです。

発売前の予約だけで30万枚に達した(35万枚とも)。発売当日に10万枚が完売し、12月31日までの1週間で30万枚が完売、翌年1月6日には店頭出荷枚数が100万枚を突破し、1月7日に東洋化成の福島工場で150万枚目のレコードをプレスし、その現場に子門真人が立ち会った。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/およげ!たいやきくん

リリースした当日から、とんでもない売上を記録していたことが分かりますね!

「ひらけ!ポンキッキ」を見ていた親子はもちろん、そうでない人も巻き込み大ヒットしたのです。

当時こんなに大きな話題になった楽曲だからこそ、今でも歌い継がれているのでしょう。

ちなみにこの楽曲をカバーしているアーティストは数多くいます。

沖縄出身のグループ、BEGIN

ヴィジュアル系バンドとして知られている、MUCC

モーニング娘。辻希美さん。

「たらこ・たらこ・たらこ」で大ヒットを起こしたユニット、キグルミなど。

様々なジャンルのアーティストにカバーされている名曲なのです。

大人にもヒットした理由は?

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「およげ!たいやきくん」は何故ここまで爆発的なヒットを記録したのでしょうか。

その要因のひとつとして「大人も共感できる歌詞」が挙げられるのではないかといわれています。

この楽曲の歌詞で描かれている大まかなストーリーは以下の通りです。

・主人公はたいやきくん。たいやきくんは、ある日たいやき屋の店主と喧嘩して海に逃げる。

・海に逃げたたいやきくんは、しばらくの間楽しい日々を過ごす。

・しかし海の中で生きていくのも大変だということを痛感する。

・そんなある日たいやきくんは釣り針に引っ掛かり、釣り人に食べられてしまう。

たいやきくんという主人公を描いた大冒険の物語であることが分かります。

一見、子供向けの童謡のようにも思えますね。

でも実は「たいやきくん=サラリーマン」という解釈で捉えることもできる歌詞なのです。

そう、この歌は苦労の絶えない世の中で生きるサラリーマンに向けた歌でもあります。

辛いことだらけの会社を抜け出して「海」という自由な世界で生きる主人公。

そんな物語を描いた歌詞だと解釈すると、なんだかたいやきくんに親近感を感じませんか?

この楽曲がヒットした理由は、サラリーマンも対象にした歌だからなのだと思います。

深掘りするほど共感できる!?哀愁漂う歌詞の意味を解説!

【およげ!たいやきくん/子門真人】歌詞を解釈!実はサラリーマンの歌?童謡に込められた社会風刺を紐解くの画像

ということで、今回は「たいやきくん=サラリーマン」という解釈で歌詞の紹介をしていきます。

歌詞に登場するキャラクターたちは一体何を表しているのか。

そして「海」や「難破船」といった物は何の象徴なのか。

その辺りも含めて、この歌詞を深掘りしながら解説します。

深掘りするほど共感できる歌詞の内容を読んでみましょう!

楽曲発売当時の社会状況

それでは歌詞の解説の前にこの楽曲が発売された当時を簡単にみておきましょう。

1975年12月にこの曲は発売されました。

1975年(昭和50年)という時代はオイルショックを乗り越えてロッキード事件が起こる中間点にありました。

日本全体がひと時の安福を楽しんでいた時代です。

しかし、社会を取り巻く環境は今の比ではありません。

ハラスメントは当たり前。ブラック企業も数知れず。

プライバシーは守られず、週休2日制の会社なんてごくわずかでした。

サラリーマンは「モーレツ」の名残を受けてノルマに追われ朝から夜まで働いていたのです。

それでもいい大学を出ていい会社に入るという風潮はこの頃もしっかりありました。

サラリーマンに夢も希望もなかった。それが当時の時代背景だったのです。

1番の歌詞

会社の歯車として働く主人公

まいにち まいにち ぼくらはてっぱんの
うえで やかれて いやになっちゃうよ

出典: およげ!たいやきくん/作詞:高田ひろお 作曲:佐瀬寿一

歌詞の冒頭では、毎日会社で必死に働いている主人公の様子を描いています。

会社の歯車として、毎日楽しくもない作業を続けている。

そんな刺激のない日々に飽き飽きしている様子が描かれていますね。

「会社で働くのが辛い」と感じたことのある人はきっと多いはず。

そんな辛い気持ちに寄り添ってくれるような歌詞がとても印象的です。

とにかく朝から夜まで、働き漬けです。

サービス残業は当たり前。定時に帰る人間なんてまずいません。

また当時にフレックスタイム制などもありません。

朝も夜もぎゅうぎゅう詰めの通勤電車に揺られて身も心も疲弊します。

それでも毎日、会社を休むこともなく欠かさず出勤する。

ある意味、根性だけは鍛えられていたサラリーマンたちだったのです。

会社を辞めた主人公が選んだ道は…?