私と彼とのすれ違い
私は立ち止まり、彼は進んでいく
螺旋の中を逃げ果せば 彼は昇り私は降る
柱を光で埋める月光が微かな記憶を照らした
彼を探しているようだ
出典: 衝撃/作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子
この歌詞は、戦いの渦を表していると考えられます。
戦いの中でエレンは、その先へと進み幼馴染の2人は過去を振り返っています。
幼馴染の1人であるミカサは、エレンに命を救われ、家族のように育ちました。
月光は、暗くなり行く宛てのないミカサを救ってくれたエレンを思い返させています。
仲間であり、幼馴染のエレンが壁の外にいる人間を滅ぼそうとしていることに抵抗感のあるミカサ。
昔の彼はいないのかと感じているのでしょう。
導く声が伝えたいものとは
「あの小説の中で集まろう」
導く声は空耳の様
漂う海 これはあなたが始めた物語だから
出典: 衝撃/作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子
この歌詞では、エレンのもう1人の幼馴染アルミンのことを表しています。
幼い頃に、アルミンは壁の外側の世界を見ることを夢見ていました。
自由を求めて同じく壁の外に出たいエレンは、彼が見せてくれた本に衝撃を受けます。
そこには、壁の内側には無い海や砂漠などについて書かれていました。
現実かどうかも分からない彼らにとって、それは小説だといえるでしょう。
アルミンもまた、エレンの昔を思い返しているのだと考えられます。
導く声が伝えたいものは、昔のように戻れないかということです。
しかし、その声は受け入れられることはありません。
最初は、海を目指して進んでいった2人。
エレンは海の向こう側に敵がいることを知り、アルミンは喜びを感じました。
2人の原点ともいえる海は、別々の物語を示し、すれ違いを表していると考えられます。
僕の意思を受け継ぐ者
彼が選んだ道
羽根を焦がす無数の鳥が
灰を散らし安らぎ笑う
誰か散らせ
僕がここに居たという証も
骨はどうせ砂と化して消えるのに生きてる
出典: 衝撃/作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子
1番の歌詞と違う点は、エレン視点で描かれていると考えられることです。
作中では、エレンは味方にも敵を作っています。
彼が選んだ道は、壁の外の人間を全て殺すという過激なものだからです。
そして、この歌詞が表しているのは、仲間が別の道を示すことへの期待です。
彼を止め、人々が殺し合わなくて済む道を示してくれる人を探しているのでしょう。
そうなれば、死んでいった仲間の無念も晴らすことができます。
だからこそ、"僕"の存在を消すことを望んでいるのではないでしょうか。
しかし、エレンがいなくなった後にもエレンを大切に思う人の記憶に生き続けていると示しています。
自分のことを覚えていて欲しいと願う気持ちとも捉えることができますね。
反対の道を進みながらも彼を大切に思う私
一秒前に戻して 彼が消え去る前に
出典: 衝撃/作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子
この歌詞は、ミカサの心境を表現しています。
エレンを止めるために動くミカサですが、エレンを信じる気持ちもあります。
エレンを殺して止めることを望んではいません。
ただ、もしそうなってしまったとき、生きていた頃に戻って欲しいという願いが込もっています。
エレンの仲間に対する思いが見えないからこそ、ミカサの心境が複雑なことが分かりますね。