ほうら ごらん
少しおくれて 咲く花を
いとしく 思ってくれますか…
咲いて清らな 白い花
生きてゆくのに 下手なふたりが さゝやかな
夢をかさねる ふたりは二輪草
出典: 二輪草/作詞:水木かおる 作曲:弦哲也
清らかに咲く、白い花をみながらふたりはなにを思うのでしょうか。
似たもの同士のふたりの心を探ってみましょう。
いとしい想い
少しおくれて咲く、白く清らかな花はどんなイメージでしょうか。
時代遅れと感じるかもしれませんが、夫のあとを一歩遅れてついていく可憐な妻の姿が浮かびます。
はかなげで、頼りない。しかし凛としている。
そんな妻の姿です。
いとしく思ってくれますか。
という問いかけは、何年連れ添っていようとも相手に惚れているからこそ出る言葉でしょう。
わたしは変わらずあなたに惚れていますが、あなたはいかがですか。
そんな控え目な妻の言葉に夫はしあわせをかみしめるのではないでしょうか。
夢を重ねる
夫婦とはなんであるか。
それは禅問答と同じで、答えはこれとは出てきません。
夫婦がなんであるかの一つの答えは「未来を共にする相手」ではないでしょうか。
未来を共にするとは、夢を同じにするということといえます。
お互いの不得手を補完しあうふたり。
夫婦だけのささやかな夢を励みに生きる夫婦は、二輪草のその姿に重なります。
春に咲く花
おまえ あなた
春がそこまで きたようだ
よかった 一緒について来て…
雨よ降れ降れ 風も吹け
つらいときにも 生きる力を くれるひと
どこに咲いても ふたりは二輪草
出典: 二輪草/作詞:水木かおる 作曲:弦哲也
二輪草は春に花を咲かせます。
春を迎え、主人公たちにはどんな花が咲くのでしょうか。
よかった
お互いを呼び合い、相手の存在を確かめながら春の訪れを待っています。
男女の「しあわせ」について考えたとき、女性と男性ではその考え方が違うといわれています。
女性にとって夫婦のしあわせとは「ふたりで築くもの」という感覚が一般的です。
対して男性は「自分が主導となってしあわせにするもの」という考えであることが多いとされます。
話は少しそれますが、女性はあまりしあわせではない状況でも、一緒にがんばる相手がいれば不幸とは思いません。
男性の場合は、女性が幸せではない状況を自分の責任と思ってしまうところがあるようです。
そんな男性にとって妻から「よかった一緒についてきて」と言われるのは最高の喜びなのではないでしょうか。
あなたがいたからわたしはしあわせ。
そんな言葉をかける妻の配慮が、夫婦のよろこびをあらわしています。
病めるときも 健やかなるときも
結婚式では、「病めるときも、健やかなるときも」愛し合うことを誓います。
たぶんその時点では「病めるとき」のことはあまり考えることはないでしょう。
長く連れ添いふたりであれやこれやと乗り越えながらしみじみ心に響く言葉といえます。
支えあうというのは簡単ではありません。
つらい出来事は夫婦それぞれに降りかかります。
夫婦のどちらかがつらい思いをしているときに何をするのが正解という答えはないでしょう。
主人公は夫を「生きる力をくれるひと」といっています。
どんな風が吹こうと、どんな雨が降ろうと、生きる力があれば乗り切れるでしょう。
あなたがいるから生きてゆける。それは根元を同じくする二輪草だからこその言葉です。
二輪草のように
「二人は二輪草」というフレーズが繰り返し歌われています。
そこにはどんな思いが込められているのでしょうか。