勘違いされることが多いですが、ハッキングは犯罪行為ではありません。
ハッキングとよく似た言葉にクラッキングという言葉があり、犯罪なのはクラッキングのほうです。
クラッキングには「コンピューターシステムに不正に侵入し破壊・改ざんする」という意味があります。
無理矢理にでも元気づけようという想い
あえて使われた「crack」
ほらほらどんどん伝染してく 楽しい予感
音を立てて CRACK CRACK CRACK
出典: HACK/作詞:末吉秀太,昆真由美 作曲:奈須野新平
ハッキングは犯罪ではなくクラッキングが犯罪。
それでもあえて「crack」という言葉を使っているところに強い意志を感じ取れます。
悩むことも大事なことですが、時には無理矢理にでも引っ張りだしてくれることが必要なこともありますよね。
この「hack」と「crack」を使った言葉遊びがこの曲の魅力の1つです。
音楽をリスナーに届けることを、リスナーの脳に侵入する、と捉えることができる面白いアイデアですよね。
「感染」「伝染」というワード
ほらほらどんどん感染してく 思考回路
リズム合わせ KNOCK KNOCK KNOCK
出典: HACK/作詞:末吉秀太,昆真由美 作曲:奈須野新平
感染や伝染という言葉は一見マイナスイメージが強いように思うかもしれません。
しかし「hack」や「crack」と同じようにコンピューターにまつわる言葉だと考えてみてください。
すると「コンピューターウイルスの感染・伝染」と捉えることができます。
ネガティブな思考回路をハッキングしてポジティブウイルスを感染・伝染させる。
そういう意味が【HACK】に込められていると考察できます。
TikTokでのバズはまさにポジティブウイルスの感染・伝染に成功したといえるでしょう。
一貫した世界観
デジタル世界へと誘うサウンド
人の脳とコンピューターの仕組みは似ているといわれることもあります。
人の思考回路をコンピューターに見立てた世界観を強調しているのがこの曲のデジタルサウンドです。
イントロが始まった瞬間にリスナーはデジタルな世界へと誘われます。
サウンドによって、脳の思考回路をハックしポジティブウイルスを感染させるための準備が整います。
タイトルと歌詞とサウンド、全てが一貫したテーマを持っていることがこの曲の魅力だといえるでしょう。
魔法の言葉「hack」
この曲の中で「hack」という言葉が出てくるのは1度だけです。
それも歌ではなく呟くようなセリフとして1番と2番の間の間奏部分に登場します。
「hack…」という呟きの後の電子効果音には、まるで思考回路が書き換えられるような感覚を与えられます。
自分のネガティブな思考をポジティブに書き換えていくイメージをしながらこの部分を聴いてみてください。
ネガティブ思考から抜け出せない時はこの曲に身をゆだねて「hack」されてみてはいかがでしょうか。