歌詞ももちろんストレート!!
音楽への姿勢の表れ
隠し事なんてしないでそんな仲じゃないだろ
バカな生き方をしている相変わらずなオマエが大好きなんだ
頭の良すぎるアイツらはほっておこう
俺たちの圧勝なわけで
こんな事を歌うバンドを見て冷めた顔で頷いたりしてるんだろうね
出典: キルミー/作詞:SUNNY CAR WASH 作曲:SUNNY CAR WASH
いきなり攻撃力高めな歌詞ですね。
しかしこれがSUNNY CAR WASHの基本姿勢にも感じます。
彼らは若い勢いに任せて音楽シーンを邁進しています。
その中で自分たちのやりたい事を発信し続けてきました。
発信された言葉が時に誰かの癪に障ってしまうこともありますよね。
そういった気持ちで歌詞を見ていきましょう。
音楽に限らず人にはそれぞれ好みというものがあります。
SUNNY CAR WASHの音楽が響かない人もいるでしょう。
彼らにとってそれは問題ないように感じます。
だからこそ彼らはこのような歌詞をぶつける事が出来るのですね。
対極の表現
ねぇキルミーベイベー殺してくれ
溢れるほどの愛で溺れさせてくれ
もう何もいらないトイレのタイルに
そう誓うんだ
ねぇキルミーベイベー殺してくれ
溢れるほどの愛を僕に分けてくれ
100分の1でもいいから僕に愛を故郷には緑を
出典: キルミー/作詞:SUNNY CAR WASH 作曲:SUNNY CAR WASH
このサビも強烈な歌詞ですね。
「殺してくれ」の直後に「溢れるほどの愛」と続きます。
一見全く脈絡のないように聞こえますね。
しかし対極にある表現の行き着く先は同じなのではないかと私は思います。
「好きな子を思わずいじめてしまう」
ちょっと幼稚な気もしますがそのような感覚でしょうか。
しかしこの感覚は少し危ういですね。
この危うさも彼らの魅力の一つかもしれません。
そして「トイレのタイルにそう誓うんだ」というフレーズ。
ボーカルの「アダム」こと岩崎優也さんは大のお酒好きなんだそうです。
きっと飲みすぎてトイレに突っ伏してしまったことがあるのでしょう。
なんだか微笑ましくも感じるシーンですね。
その経験をこの歌詞に活かすあたりも才能を感じます。
心からの叫び
変わってしまいそうなあなたへ
隠し事なんてしないで
女が出来たならちゃんと教えてくれって
約束したのにもう忘れてしまったのかい
頭の良すぎるあいつらはほっておこう
俺たちの圧勝なわけで
こんな事を歌うバンドを見て冷めた顔で歌が下手だって言うんだろーね
出典: キルミー/作詞:SUNNY CAR WASH 作曲:SUNNY CAR WASH
この曲は誰かに語りかけている歌詞になっています。
1番だけを見るとこれは恋の歌なのかなと思ってしまいます。
しかしここで相手が「友達」であることが分かります。
今まで彼らが訴えてきた「愛」という言葉。
これは恋愛だけではない「全ての愛」を指しているのでしょう。
そう考えるとこの曲のイメージがさらに広がりますね。
そして彼らは自分達を否定する人達をさらに突き放します。
私も以前ストレートな人達をこのように感じていた時期がありました。
その時は「嫉妬」に近い感情もあったように思います。
彼らがこの姿勢を貫く事が出来るのはそれだけの「強さ」があるからなのです。
「愛」を渇望する
ねぇキルミーベイベー殺してくれ
溢れるほどの愛で溺れさせてくれ
もう何もいらないトイレのタイルにぶちまけるんだ
ねぇキルミーベイベー殺してくれ
溢れるほどの愛を僕に分けてくれ
100分の1でもいいから僕に愛を
故郷には緑を
出典: キルミー/作詞:SUNNY CAR WASH 作曲:SUNNY CAR WASH
彼らがいう「愛」が恋愛だけではないことが先ほど分かりました。
それをふまえて改めてサビの歌詞を見てみましょう。
まるで「愛」に飢えているように聞こえますね。
強い「孤独」も感じます。
酔いつぶれてトイレで倒れている姿もシリアスに思えてきました。
そしてこの曲が多くの若者の心に響いたという事実。
もしかしたら今の若者達には「愛」が足りていないのかもしれません。
そんな悩める人達の先頭に立って彼らは愛を渇望しているのです。
「殺してほしいほどに愛してほしい」
この矛盾を乗り越えて伝わるメッセージの強さが、彼らにはあるのでした。
最後に1番のサビにも出てきた「故郷には緑を」という言葉。
突如として出てくるこのフレーズを不思議に思う人は多いでしょう。
しかしこれもこの曲を広い世界へ広げる重要なキーワードになっています。
その前に「100分の1」というとてもミクロな話をしていました。
なおかつ彼らが愛を求めている側なので、エネルギーが強く内側へと向いています。
その後に「故郷には緑」を与えたいと続きますね。
そうすることによって内側に貯められたエネルギーが一気に外へ広がるのです。
このフレーズが曲のラストも飾っていました。
そのお陰でシリアスに愛を求めていたこの曲も、外の世界へと解き放たれるのです。