楽曲について
自分にどんな災難が降りかかろうとも、大切なあなたの手を離さないという強いメッセージがこもった楽曲です。
2013年にYouTubeに公開されたMVは、7年経った今でも新規のコメントで埋められています。
その温かいリリックと、包み込むような柔らかい雰囲気が、多くの人から愛されている要因なのでしょう。
イントロのアルペジオから、私たちの心を揺さぶってくるエモーショナルなサウンド。
耳と胸にスッと入ってくるような、どこか聴いたことのあるノスタルジックな曲調も魅力的です。
そんなG-FREAK FACTORYの強い想いが込められた楽曲について1つ1つ紐解いていきましょう!
例え、失っても
あなたの声
もしも明日 耳が聴こえなくなったら
あなたの声を
どれだけ聴いたことになるだろう
出典: EVEN/作詞:茂木洋晃 作曲:G-FREAK FACTORY
タイトルに使用されている「EVEN」には「~でさえ」という強調の意があります。
また、「EVEN IF」と熟語に変化することで、「例え~であったとしても」という意味になります。
ここで述べられている、先に起こりうる未来の可能性を懸念しているフレーズはまさに「EVEN IF」。
ある日、突然に訪れる聴力の喪失から、あなたとの日々を回想している風景が浮かび上がってきます。
注目すべきは、歌詞3行目に綴られている「どれだけ~」というリリック。
それまでにあなたの隣で、あなたの声を聴いてきた日々は、数えきれないほどに数多で幸せだったといっているのです。
ニュアンス的には、「もうこの先、聴こえなくなってしまったとしても構わない」とすら感じられます。
それほどに、あなたとの歳月は重なり、「当たり前」になっていたことが読み取れるフレーズ。
何の前触れもなく、漠然とした不安を考えてしまう主人公。
そこからは、幸せが永遠ではないという儚さが胸を迫るように感じられます。
あなたの顔
もしも明日 この目が見えなくなったら
あなたの顔を
どれだけ覚えていれるだろう
出典: EVEN/作詞:茂木洋晃 作曲:G-FREAK FACTORY
先ほどの歌詞は、漠然とした不安の中に、幸せが内包されているように感じられました。
しかしながら、こちらの歌詞は迫りくる憂いの中に、巨大な心痛があるように読み取れます。
上記では、聴覚を奪われた主人公が次に苛まれるのは、視覚の喪失。
次は、あなたのことをいつまで記憶に残せるか分からないと不安気な顔を見せています。
何故、声から顔に変わった瞬間に、これほどにも気持ちが変化してしまうのでしょうか。
これに対して、2つの解釈を提示します。
- 人が物事を捉えるときの情報量で多くを占めているのが視覚であること
- もっとあなたと向き合いたかったという後悔の表れ
どちらにせよ、あなたの姿を目に映し出せなくなることは、主人公にとって何よりも苦痛なのです。
ポジティブに
自分に正直に
変わりゆく 苛立ちをならべ
限られた時間の中を
汚れた手のひら差し出して 甘えたままで
出典: EVEN/作詞:茂木洋晃 作曲:G-FREAK FACTORY
自分の人生を繕い続けて綺麗に生きる必要はないといっています。
生きていく中で現れる喜怒哀楽といった感情の類をそのままに曝け出していく。
もう戻らない日々に対して、どれだけ自分らしく生きていけるかという私たちへの問いかけなのです。
G-FREAK FACTORYの真っ直ぐで熱い想いがどこまでも伝わってくるリリックです。
1度きりの人生
Life is short time.(人生は短い)
Time still goes by.(時間は流れゆく)
旅路の終わりが見えても
壊れないような清らかな
こどもの頃の日々
出典: EVEN/作詞:茂木洋晃 作曲:G-FREAK FACTORY