G-FREAK FACTORYのご紹介
G-FREAK FACTORYは1997年結成の4人編成のロックバンドです。
音楽形態もミクスチャー・ロックから始まりオルタナティブやレゲエなど多種多様です。
シャウト系のものも郷愁をそそるスローな曲もG-FREAK FACTORYらしいクオリティーの高さがうかがえます。
またフロントマンである茂木洋晃さんの日本人離れした伸びやかな声がこのバンドの魅力を引き立てていますね。
「ダディ・ダーリン」は2017年に発売された7thアルバム「FREAKY」にも収録されています。
そして時代に突き刺さるこの曲が隠れた名曲であることも紛れもない事実です。
この楽曲を通してわかる「ダディ・ダーリン」の意味にも注目してください。
油の乗り切ったG-FREAK FACTORYのこれからも楽しみですね。
G-FREAK FACTORY~「ダディ・ダーリン」MV
やさしいタッチのイラストが素敵です。
近未来的な要素が強く不穏な様子もよく表れていますね。
「ダディ・ダーリン」の世界
未来からの問いかけ
あなたが信じた空の色は こんな風な未来で描かれてますか?
それから迎えられなかった春の調べから こんな風な匂いが漂ってますか?
出典: ダディ・ダーリン/作詞:茂木洋晃 作曲:茂木洋晃
静かに語りかけるような始まりのシーンです。
冒頭の歌詞は今を生きる大切な人へのメッセージだと考えられます。
「あなた」が思う「未来」はどんな世界ですかと問いかけていますね。
ここの場面では先ず問いかけている自分がどういう状態なのかが気になります。
次に問いかけている相手がはっきりしているとして考察を進めてみたいと思います。
そして一番気になることは何かがひとつ終わっているということです。
「春」が来なかったというのは過去形です。
この意味は自分にとっての来なかったことなのか、もっと大きな世界のことなのかです。
MVを見てみますと地球を含めた大きな意味ですが自分が居る所は現在ではありません。
今生きている誰かを案じていると思われます。
とても大切な人が「こんなはずじゃなかった」と思うことがこの先あるとしたら?
そこには自分の人生を賭けて育んだ自分の理想とも違う結果が待っていることになります。
育んだものへの喪失感
あたまの上を戦闘機に守られながら ぽっかりと空いた心の穴に蓋を閉めて
その上を何重にも、何重にも踏み固めて
つねっても叩いても全く感じない心ができました
出典: ダディ・ダーリン/作詞:茂木洋晃 作曲:茂木洋晃
ここでいう「守られている」ものとは必ずしも戦争にかかわるものではないでしょう。
もっと抽象的に捉えてよいと思います。
自分の望むものではないものに守られていても閉塞感があるだけですね。
そしてそれが本当の幸福感とは違ったことに気付きます。
また守る側の立場である時、自分が育んだものに違う結果が訪れる不安はあります。
理想とは違った「未来」が訪れた時の喪失感は大きいです。
絶望は感情を失くした状態ですからそこで時は止まってしまったのですね。
大切な人とは?
嗚呼 太陽が西の山を突き刺して
桃色に染めながら一日を終える
ダディ・ダーリン ダディ ダディ・ダーリン
真っ白に色をつけて
出典: ダディ・ダーリン/作詞:茂木洋晃 作曲:茂木洋晃
太陽が夕暮れになると西に沈んで行くというありふれた情景があります。
このありふれた情景をみることができなくなる時。
それは自分の大切な人が大人になり父になった時かもしれないと憂いているようです。
あなたはやがて大人になり父になった頃自分はもう父としてあなたの側にはいないからです。
これから未来を作るのはまっさらな君達なのだよと言っています。
愛しい人は未来の父であり自分の子供達のことでしょう。