大切な思い出を振り返る、心に染みる優しい歌
泣き虫☔さんによる「ネモネア。」は、2020年11月11日に配信リリースされた曲です。
後に2021年2月10日に発売されたファーストアルバム「rendez-vous」に収録されました。
アネモネの花を例えに出しながら過去の恋を振り返るなど、歌詞に詩的な深さが感じられる作品となっています。
切なくとも、ハスキーな優しい歌声と落ち着くメロディーに心が癒されるような感覚を覚える楽曲です。
奥深い表現や独特なリズミカルな言い回しなどその多才な歌詞の意味をこの記事では考察していきます。
色褪せない彼女はネモネア
アネモネを逆から読むと「ネモネア」
それでは早速歌詞を読み解いていきましょう。
歌はこう始まります。
花を見ては君が蘇る
懐かしいと笑えたあの日のように
“ネモネア“君はまだ美しいね
まだ触れられずにいた
君は“アネモネ“にもならず
出典: ネモネア。/作詞:泣き虫☔︎ 作曲:泣き虫☔︎
「ネモネア」とは、花の名前であるアネモネを終わりから逆に読んだものです。
アネモネの花と絡めて、「ネモネア」どういった意味なのか?
ミュージックビデオをヒントに状況を解明
「ネモネア。」のMVでは、モデルで女優の出口夏希さんが主人公の想い人であろう人物を演じています。
映像と写真を織り交ぜながら、女性の何気ない日常をある視点から捉えている映像作品です。
白い花に囲まれた部屋で1人本を読んでいる女性。
にこやかにカメラに微笑む女性。
カメラを気にせず本を読むことに集中している女性。
様々な女性の表情をカメラが追っている内容です。
このMVの内容がこの曲の歌詞の世界観を表現していると想定します。
主人公はMVの内容のような以前撮りためた彼女の写真や映像を1人で見ているのかもしれません。
冒頭部分の歌詞に再び戻ってみましょう。
花を見ては君が蘇る
懐かしいと笑えたあの日のように
出典: ネモネア。/作詞:泣き虫☔︎ 作曲:泣き虫☔︎
おそらく今は主人公と一緒にいない彼女。
彼女との思い出がある花を見て、主人公は懐かしさを覚えます。
ふと口をついて懐かしいという言葉が出てしまう。
笑みがこぼれるぐらい温かい気持ちになる。
そういった感情を持つことは主人公にとって自然なことなのだと感じられます。
あの日彼女と花を見た日の思い出は、まだ色褪せずに大切なものなのだということが伝わってきますね。
白いアネモネの花言葉
歌詞に出てくるアネモネの花には、「はかない恋」や「恋の苦しみ」といった恋に関する花言葉があります。
ただ、この歌のMVで主人公の部屋を満たすように咲いているアネモネの色は白です。
アネモネの花言葉は色別に異なるものがついています。
白いアネモネには「真実」「希望」「期待」という恋愛とは離れた意味合いの花言葉があります。
MVで白いアネモネに囲まれながら、1人部屋で本を静かに読む女性が映されていますね。
彼女からポジティブな清らかさが感じらるのは、この白いアネモネの花言葉のイメージからかもしれません。