自分と他人

他者の存在

you're welcome 危機感はねえかも
どちら様?逝っても害はねえかも

出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫

冒頭の歌詞では、主人公と他者の存在が描かれています。

歌詞を見るに、主人公はもう1人の存在を歓迎している様子。

「ウェルカム」という表現からもそれが読み取れます。

どこかピリついたようなサウンドでありながら、剣呑な歌詞

ただ漫然と他者を受け入れる主人公の姿が浮き彫りになっています。

次の歌詞を見ると、主人公はその人のことをよく分かっていないようです。

「誰?」と問いかけるような歌詞がありますね。

つまり「誰だかよく分からないけれど、まぁいいや。」といった具合でしょうか。

しかしその次の歌詞は、少々過激です。

「死んでしまっても無害」。

そんなフレーズが並びます。

これは「逝く」と「言う」をかけているのかもしれません。

つまりいなくなっても問題の無い存在。

ひいては「誰?」と尋ねたところで無害な存在ということです。

相手に対して何も期待していないような主人公の考え方が分かります。

暗い情景

吐いたガム 溜まるダム 世間に噛みつき
浴びる真っ黒下位答

出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫

主人公の周囲にはそんな他者が多くいるのかもしれません。

興味も惹かれない、でも無害。

社会にはそんな微妙な関係性のつながりが飽和しています。

しかしこの歌詞を見ると、主人公はそこに嫌悪感を覚えているようです。

ガムを吐き捨てる描写から、主人公の反骨精神がうかがえますね。

とても気分のいい時にする行為ではありません。

また、ダムというのは感情の比喩表現でしょうか。

こみ上げる何かが胸に溜まっていく様子を表しているともとれます。

さらにその後、直接的に社会への反抗心を表す歌詞もありますね。

そして歌詞は暗い色でしめくくられています。

つまり主人公は社会に対してあまり良く思っていないようです。

それどころかガムを吐き捨てるほどの嫌悪感を抱いているのでしょう。

同曲はこうした社会への反抗を描いた楽曲だと推察できます。

世間にはびこる「嘘」

当たり前のような嘘

嘘、ぜんぜん足りない?まだまだやりたい?
良かれと思って始めていない?

出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫

次の歌詞では「嘘」という言葉が多く使われています。

驚嘆したときに出る「うそ!?」という言葉ではありません。

人を欺く方の嘘です。

主人公が何を嘘と定義しているのかは不明です。

しかし世間には多かれ少なかれ、あらゆる嘘がはびこっています。

例えば本音とは異なる建前、これも嘘の1つです。

中には相手を気遣うための優しい嘘というのも存在します。

1つ1つ挙げていけば、嘘の種類はキリがありません。

自分の真意にそぐわないことを言えば、全てが嘘になります。

主人公はその行為に、疑問を覚えているのかもしれませんね。

当たり前のように、成長過程で人は嘘を覚えます。

悪気なく嘘を吐く人もいるでしょう。

歌詞を見ると、そんな人に対して主人公は疑問を投げかけています。

嘘を見透かす主人公

嘘バレてるよ?うん。そう、バレてるよ
ケラケラ笑って剥がれてる脳

出典: POISON./作詞:泣き虫 作曲:泣き虫

誉め言葉や謙遜。

ポジティブに使う嘘もあれば、悪意のある嘘もあります。

主人公はこうした嘘にとりわけ敏感なのでしょう。

きっと人の表情や言い草で、事の真偽を見極められるのです。

「嘘だって分かることを、何故言うんだろう。」。

主人公からはそんな疑問が感じ取れます。

歌詞を見ても、「ばれている」といった表現が目立ちますね。

笑顔で当たり前のように嘘をつむいでいく人々。

そんな姿に主人公は抵抗があるのかもしれません。

その嘘は主人公に向けられたものなのか、そうでないのかは不明です。

ただしそうやって息をするように嘘を吐く人に、主人公は背を向けます。

当然、嘘にまみれた社会に対しては醜さを感じていることでしょう。

嫌悪感と毒

曲のタイトル【POISON.】