奥にかさばった遠い日の想い
今まだ晒せるだろう
出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa
一見何でもないふうを装っていても、心の中もそうとは限りません。
本当は新しいことに興味があるとか、結婚してみたいとか、好意とか…。
それらを素直に言葉にできず、心に溜め込んでしまっているのでしょう。
いつ本音を吐き出そうか、まだこのタイミングならいけるか…などと考えているのかもしれません。
主人公はプライドが高そうです。
泳いで逢いに行こう
かなわずも
失くすことのない
あの日覚えた小さな騒めきも
揺らめいて輝き増すように
日々を泳いだ
もうすぐ君に逢いに行くから
出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa
願いは必ずしも叶うとは限りません。
しかし、叶わなかったからといって全てを失うわけでもない筈です。
その時感じた心の揺らぎは、新しい未来につながるきっかけになる可能性だってあります。
どんなに些細な「きっかけ」だったとしても、主人公はそれを追いかけに行ったのでしょう。
水の底にある光は、水面のさざ波が起こることでより光って見えることがあります。
さざ波を起こすには、自分から動いて起こさなければなりません。
だから主人公は泳ぐように毎日を過ごしました。
つまり穏やかに静かに暮らすのではなく、周りの人に色々な影響を与えて騒めかせるのです。
これは、逆にいうと人々を振り回すということにもなってしまいかねません。
ですが停滞した毎日を過ごすよりも、波がある方が発見やきっかけが見つかりやすくなるものです。
『結婚できない男』でいうなら、主人公の桑野さんはいつも皮肉を言って周りの人々を振り回します。
ところが、彼のちょっとした嫌味や発言・行動は相手を不快にさせるだけで終わるものではありません。
誰もがはっと気が付かなかったことに気付き、事態が好転するのです。
これって水面がゆらめいて、底にある希望がより輝いていることにならないでしょうか。
「泳ぐように毎日を過ごす」とは、そういうことなのだと考えられます。
人と人とのつながり
人は他の人と関わらなければ生きていけません。
職場の人とか友人や家族など、関わらなければならない人々は自ずと現れます。
どんなに自分が人付き合いなど苦手で、嫌だったとしてもです。
たとえ自分は気に入らなかったとしても、いつかふっと気になる人とも巡り合えるかもしれません。
日常にいる人
紡いだ日々があるよ
優しい人がいたよ
樹々の匂い
揺蕩う君に僕は寄り添ってみる
出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa
毎日を生きる中、自分に優しくしてくれる人が現れました。
前半に出てきた「君」のことでしょうか。
単に愛想がいいというわけではなさそうです。
時には叱り、良かったところは素直に褒めてくれる人。
きちんと自分のことを見て、考えてくれる人なのでしょうね。
その人と一緒に歩いた記憶は、「樹々」の匂いが印象的だったようです。
相手は自分に優しくしておきながらどこかふわふわしていて、何かを迷っている様子。
ふっと口をつく言葉に、主人公は相手の迷いや躊躇いを察しています。
「力になりたい」という直接的な感情はなさそうですが、「放っておけない」とは思ったようです。
「寄り添う」と歌詞にはありますが、少しぎこちなさそうな姿が浮かんできます。
今日はもう休もう
這いつくばって
近付いた日暮れ
明日へ手放してみよう
出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa
朝から日中まで頑張ると、やはりへとへとになります。
人は1日中働くようにはできていません。
気が付けば夕暮れの時間になってしまいました。
「優しい人」はそれでも「まだまだ頑張らなきゃ」と働く気満々のようでした。
しかし主人公は、「もういいじゃないか」と思っています。
もう遅いのだから、今山積みの課題は明日にポイっと丸投げしてしまおう。
無責任な考えにもとれますが、主人公なりの優しさを感じます。
触れたいあなたのもとへ
語らずも
分かち合えるなら
躊躇いもせずに君に触れたいな
煌めいて溢れ出すように
日々を泳いだ
もうすぐ君に逢いに行くから
出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa