話さないと分からないことはたくさんあります。

他人は自分にはなれませんし、自分も他人にはなれません。

「十人十色」という言葉があるように、人はみんな違うのですから。

しかしながら、主人公は言葉で話すのが苦手なのでしょう。

話しても伝わらない、むしろどんどん遠ざかってしまいます。

もう言葉なんか使わないで、何も言わずに分かり合える相手が欲しいのです。

そうすれば、自分の気持ちを素直に伝えられるかもしれないのに。

勿論、それは価値観が相当合わない限り、なかなか難しいことです。

言わなければ伝わらないことは、世の中にたくさんあります。

それでも主人公は、「君」という相手にある種の期待を抱いているのではないでしょうか。

いつか一緒に歩める日を目指して、主人公は毎日を泳ぎます。

綻びをくれた君へ

かざらずも
怯むことのない
あの日出逢えた小さな綻びも
揺らめいて輝き増すように
日々を泳いだ
もうすぐ君に逢いに行くから

君に逢いに行くから

出典: まだスイミー/作詞:Kaori Mochida 作曲:Daichi Hayakawa

「綻び」というのが、主人公がいかに偏屈だったのかを物語っているようです。

「君」と巡り会ったことで、どうやら頑固なプライドがほんの少しだけ緩みました

自分の考えが変わり、変わっていくことは結構怖いことでもあります。

ですが、主人公は恐怖を抱いてはいませんでした。

「自分はこんな風に変わっていくんだ」と高らかに宣言する必要はありません。

要するに、自分らしく変わっていけるのだと「君」を見て思ったのではないでしょうか。

主人公が泳ぐことで放つ輝き、それは「君」との幸せなのだと思われます。

「スイミー」と「まだスイミー」で歌詞が違う?

【まだスイミー/持田香織】歌詞の意味を徹底解釈!日々を泳ぎ続ける理由って?流される中で感じたものとはの画像

「スイミー」と「まだスイミー」は、タイトルが違うだけあって変更点もあります。

全く同じ曲ではありません。

一番分かりやすいのが歌詞です。

たとえば「まだスイミー」は「樹々」という秋を思わせる歌詞がありました。

しかしながら、「スイミー」はこの部分が「水」なのです。

他にも「屈む」「青む」「凪ぐ」「滲む」など、細かいところが変わっています。

これはドラマの季節に合わせているためです。

『結婚できない男』はに放送されていました。

次の『まだ結婚できない男』はに放送されています。

また「まだスイミー」には「寄り添う」という歌詞がありましたが、「スイミー」ではこうなっていました。

水の匂い
まどろむ君がぼくを透かしてみる

出典: スイミー/作詞:持田香織 作曲:早川大地

どうやら主人公は、13年の間にせめても「寄り添う」という人としての優しさを学んだようです。

このように「スイミー」は夏でしたが、「まだスイミー」は秋になっています。

確かに秋になっても水泳していたら「えっ、まだ泳いでるの?」といわれそうです。

「まだスイミー」とは、「秋になってもまだ水泳」という意味もありそうですね。

そして、結婚して誰かと結ばれるまでの独身の日々が「水泳」でもあります。

13年の時を経て復活した名曲

【まだスイミー/持田香織】歌詞の意味を徹底解釈!日々を泳ぎ続ける理由って?流される中で感じたものとはの画像

「まだスイミー」の歌詞について解説しました。

阿部さん演じる桑野信介の不器用な優しさが描かれています。

13年の月日の間で彼の成長も表現された、名曲「スイミー」の続きと呼べる曲です。

この機会に、13年前の「スイミー」と聴き比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。

プカプカと浮き輪の上で海の上を漂っているような心地良さ。今回紹介する「スイミー」は水や風の優しさを感じながら海原を進んでいくような心情を表現しています。主人公が泳いでいる海はどんなところでしょうか?そしてどこに向かっているのか歌詞を見ながら考えていきましょう。

「スイミー」の歌詞については、こちらの記事が解説しています。

細かいところは違うとはいえ、曲や歌詞の雰囲気はほぼ同じです。

この記事とはまた一味違う解説になっているので、是非こちらも楽しんでみてください。

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