たくさんのアーティストにカバーされる名曲
毒舌コメンテーターという印象が強い泉谷しげるさん。
「春夏秋冬」は、そんな泉谷しげるさんが作詞作曲をした楽曲です。
そして編曲を担当した加藤和彦さんとの異色タッグで、素敵な曲がより素敵に。
1972年に発売されたアルバム【春夏秋冬】に収録されました。
当時の泉谷しげるさんは、激しいパフォーマンス曲がメイン。
ですがこの楽曲はフォークとしてしっとり歌い上げられています。
そのギャップに魅了される人が続出しました。
また、発売されてから数多くの豪華アーティストにカバーされ続ける名曲です。
そんな名曲「春夏秋冬」には魅力がいっぱいあります。
歌詞の意味を詳しく紐解いていきましょう。
考えさせられるフレーズ
その歌詞の意味は、とても考えさせられます。
この曲の主人公は、毎日忙しなく一生懸命に働いている人物です。
一生懸命になる理由は、夢があるから。
小さいことでも、人にはそれぞれ望みがあるはずです。
その望みを叶えるために、いつでも一生懸命なのでしょう。
矛盾や葛藤や理不尽な出来事など、嫌なことは世の中にたくさんあります。
ここの場面では、毎日の生活に揉まれる人に沁みるフレーズばかりです。
そして、泉谷しげるさんの優しい歌声が温かく響きます。
ありえないように思える情景
季節のない街に生まれ
風のない丘に育ち
出典: 春夏秋冬/作詞:泉谷しげる 作曲:泉谷しげる
この部分の歌詞は、一見するとありえないことです。
季節はどの場所にも存在しますし、丘には風が吹きます。
では、この歌詞は一体どういう意味なのでしょうか。
この楽曲の主人公は、平凡に毎日を生きている人物です。
そして毎日を一生懸命に生きています。
1行目にある「季節…」とは、忙しない状態という意味です。
頑張ろうと思いすぎて、休む暇もないのでしょう。
そしてあっという間に毎日が過ぎていく様子がわかります。
2行目にある「風…」というのは、変化のない毎日ということ。
風が吹かないということは、何も起こらない様子を表しています。
そのため、ありえないように思える情景が、ありえるように感じてしまうのでしょう。
毎日が憂鬱だった?
夢のない家を出て
愛のない人にあう
出典: 春夏秋冬/作詞:泉谷しげる 作曲:泉谷しげる
ただ帰って寝るだけの毎日。
1行目にある「夢の…」には、休む暇がないことを表しています。
休む暇がないから、我が家が落ち着くとかそういうこともわからない。
そして2行目の「愛の…」は特に仲良くもない仕事仲間たち。
その仕事仲間に気を使って笑ってみせるけど、本当は笑いたくもないのです。
早く仕事を終わらせて帰りたい。
そのような憂鬱な気持ちを感じ取ることができます。
思い通りにはいかないことばかり
毎日が憂鬱でも、希望はあります。
もっと穏やかに生活したいでしょうし、恋もしたい。
ですが世の中そう上手くはいきません。
この場面では、すべてが思い通りにはならないというのがわかります。
一生懸命にやってきたけど
人のためによかれと思い
西から東へ かけずりまわる
出典: 春夏秋冬/作詞:泉谷しげる 作曲:泉谷しげる
周りの人のために毎日あれもこれも引き受けてしまう。
自分の負担になるとわかっているのに、頑張って無理をする。
1行目にある「人の…」のように、自分のことは蔑ろにしてしまうのでしょう。
そして2行目の「西から…」とあるように、どんな人のためにも力を惜しまない。
主人公の人物は、優しくて一生懸命な人だとわかります。
だから無理をしすぎてしまい、忙しさは増していくばかりです。