動き出す主人公と意味ありげな白い集団
MV冒頭のシーンは「主人公」的存在の楽が部屋のソファから起き上がりスケートボードを手に外へ出ていく、というもの。
約30秒のこのシーンは終始静寂に包まれていて、最後に一瞬だけ意味深な全身白のメンバーたちのカットが。
そして「SUPER★DRAGON」の文字から渋谷の街の映像へと、前奏と共にシーンが展開していきます。
なお、このとき白い集団は今にも走り出そうとしているように見えていることに注目。
メンバーたちがそれぞれ街の中で葛藤し戦う
曲のテーマである「怒」
ダンスそのものはさすがスパドラ。
さらに曲のテーマである「怒」を表現する各メンバーの表情にも注目ですね。
「WARNING」は2ndアルバム「2nd Emotion」のリード曲。
このアルバム全体でさまざまな「感情」が歌われています。
そしてこの曲のテーマは「怒」。
ちなみにアルバム内の他トラックでいえば、「BADASS」「Set It Off」の2曲も「怒」がテーマ。
しかもこれら3曲はそれぞれ別々の「怒」を表現しているのです。
こういったところからもスパドラの音楽表現に対するストイックな精神がビシビシ伝わってくると思いませんか?
それぞれ別で撮影が行われたメンバーたち
さてメンバーたちはさまざまなバトルを繰り広げています。
渋谷スクランブル交差点のど真ん中で行われる和哉vsジャンのラップバトル、玲於vs颯のよるクラブでのダンスバトル。
毅は試合に負け再起を図るボクサー、洸希はトイレの鏡の前で険しい表情を見せています。
なかには彪馬の衝撃的な色気のシャワーシーンも。
そして最後に壮吾はビルの屋上での悲しげな様子から一転して路上に倒れ伏している姿が。
メンバーのそれぞれが、過去の自分に対する怒りの感情をベースに現在の自分と戦っています。
和哉の、自作のリリックを真剣に見つめているカットからのジャンに立ち向かっていく流れはかなり心にグッときました。
しかし紛れ込む違和感が?
しかし壮吾だけは自分に打ち勝つことができなかったのでしょうか?
これについて本人があるインタビューでコメントしています。
それは「全体の雰囲気に違和感を加えている」というもの。
たしかにひたむきに戦う姿を見せている他メンバーたちの中で彼だけが異彩を放っているように感じます。
さらに血の涙を流しているカットも印象的。
しかしこれはあくまで違和感に過ぎません。
ビルの屋上のシーンから路上で倒れこんでいるシーンへの繋がりを安易に捉えるべきではないと筆者は考えます。
壮吾をはじめ、他メンバーたちによるMVの自分の役どころについての詳しいインタビュー内容はこちらを参考にしてみてください。
ストーリーテラーとしてのキーパーソン楽
部屋のソファから起き上がり、スケートボードを手に外へ出かけていった楽。
そのあと彼はどこへ向かったのでしょうか?
港でのダンスカットと語られていく渋谷でのそれぞれのメンバーの「怒」。
それらに並行して楽は依然スケートボードでどこかへと向かっています。
彼の目的は何なのでしょうか?
そもそも彼は何者なのでしょうか?
急速に展開していく物語
2サビの後、物語は急展開を迎えます。
それまでもチラチラと入り込んでいた異空間で踊る白いメンバー。
そして突如、冒頭で一瞬映っていた裸足のメンバーが揃って一方向に走り出していくのです。
これは冒頭のシーンで一瞬だけ映り込んでいたカットの続きでしょう。
彼らは裸足で、その足裏を黒く汚しながら走っていきます。
この映像からは、何か「戦う意思」のようなものを感じられるのではないでしょうか。