島倉千代子が歌う「人生いろいろ」
ねぇおかしいでしょ若いころ
ねぇ滑稽でしょ若いころ
出典: 人生いろいろ/作詞:中山大三郎 作曲:浜口庫之助
若さを語るには、若さを経験して通り過ぎなければ語れないのかもしれません。
歌詞では、ドロドロした思いやヘビーな体験も、過ぎてしまうと笑えるくらいになると言っています。
しかし、その渦中にいる時には、笑うことなんて出来ません。
それでも、演歌でありがなら軽快なポップス調で語られる言葉は、悩んでいる人の心に滑り込んでいきます。
辛さ、苦しさに共感しながら、だんだんと気持ちが軽くなる方向に歌が連れて行ってくれるのです。
カッコいい言葉やリズムはありません。
しかし、誰にでもわかりやすい言葉で、暗い部屋から明るい部屋へ案内されるような流れがあります。
辛い体験がある人ほど笑顔が輝く
自分に自信が持てない時、自分と違って他人はみんなすごいと思えてしまいます。
輝く笑顔の人が、まぶしくて羨ましいです。
わたし自身も、そういう気持ちになった時がありました。
それでも、自信がない自分のままでいたくなくて、もがいていたのです。
そんな時に、気づいたことがありました。
自分とは雲泥の差がある、眩しいくらいの笑顔でいられる人達に、今までの人生を聞いてみたのです。
すると、驚いたことに、素晴らしい笑顔の人たちは全員壮絶な過去がありました。
なぜ辛い出来事を笑い話に出来るのか?
笑いばなしに涙がいっぱい
涙の中に若さがいっぱい
出典: 人生いろいろ/作詞:中山大三郎 作曲:浜口庫之助
人は完璧ではありません。
世の中に失敗をしたことがない人はいないでしょう。
失敗をするから、反省して、次には絶対に同じ過ちを繰り返さないと心に誓います。
それが人の成長の在り方ではないでしょうか。
人の痛みがわかる人というのは、自分が痛い思いをしたことがあるということです。
体験がなければ、人の気持ちを本当の意味で理解することは出来ないかもしれません。
全力で頑張っても、努力に努力を重ねても、それでも失敗することがあります。
若さというのは、知識や経験がまだ浅い状態です。
もちろん、誰もが、失敗なんかはしたくないと思うでしょう。
しかし、自分の後から来る人達に適切な言葉をかけるためには、たくさんの経験値が必要なのです。
過去の過ちや苦悩を人の役に立てて行こうと思えた時に、過去を笑顔で語れるのだと思います。
いろんなことがあったとしても受け流して先に進む
何か想定外のことが起こると頭の中がフリーズしてしまいます。
しかし、「どうしよう!どうしよう!」と固まっていても物事は進みません。
時には「生きているといろんなことがある」と、ちょっと他人事のように受け流すことも必要です。
日本人は真面目な人が多いので、失敗やトラブルを重大に受け止めてしまいがち。
でも、極端なことを言ってしまえば、人の命に関わるような重大な事態は多くはありません。
辛い思いをしたり、涙が止まらない出来事も確かにあります。
それでも、未来の可能性は無限にあるのです。
今が例え辛くても、そこにとらわれることなく未来に向かうしなやかさをこの歌は教えてくれます。
恋は突然の嵐のように喜怒哀楽を巻き起こす
恋は突然くるわ
別れもそうね
そしてこころを乱し
神に祈るのよ
出典: 人生いろいろ/作詞:中山大三郎 作曲:浜口庫之助
恋に落ちる瞬間は、予想が出来ないものです。
今まで何とも思っていなかった人に、突然キュンとすることもあります。
偶然の出会いで、運命を感じてしまうこともあるでしょう。
相手が自分の思う通りになれば幸せですが、思う通りでなければ苦しくなることもあります。
いくら自分が好きでも、相手をコントロールすることは出来ません。
恋は、他では感じることが出来ない幸せな気持ちを味わせてくれます。
しかし、他にない苦しさや淋しさも経験することにもなるのです。
喜びと苦しみが裏表の恋。
それでも、人は恋せずにはいられない生き物なのです。
自分ではどうにもならない時に人は、『祈るしかない』という心境を知るのでしょう。