恋の歌
Spontania feat. のコラボレーション企画第一段として、伊藤由奈をゲストに迎え生まれたこの曲。
男女の別れと、別れてなお残り続ける想いが切なく描かれています。
一緒にいるときには当たり前に感じていた互いの存在が、消えてなくなったとき。
変わることがないと信じたかった大切なものの重みに気づきます。
どうにもならない、やるせない思いを紐解いていきましょう。
忘れたくない想い
忘れないよ あなたを ずっとずっと
戻れないよ
You will always be close to my heart
今でも
当たり前のように思ってた
隣にはすごくうれしそうな君がいることが
出典: 今でもずっと/作詞:Spontania・伊藤由奈・Jeff Miyahara 作曲:Spontania・伊藤由奈・Jeff Miyahara
恋をして想いが通じ合い、そしてやがて訪れた別れ。
二人の間にどのような軌跡があったのかはわかりません。
無くした恋に想いを馳せる主人公の心の動きをみていきましょう。
行き過ぎた想いは
恋の種類として、比較的すぐに思い出に変えることができるもの。
反対に、いつまでも自分の中でリアルに生き続けるもの。
二種類があります。
その違いはいったいどこにあるのでしょうか。
恋の終わりには、その恋がどこまで想いを引きずるものなのか想定することができません。
恋を手離し、悲しみとすっきりが半分半分になるだろうと思っていたのに、悲しみと苦しみだけがこみ上げる。
そこには相手の想いの強さが関係しているようです。
深く愛してくれる相手は、時に嬉しく時に重たく感じられることがあります。
その重さを「重荷」と判断し別れを意識してしまったとき。
重たいコートを脱ぎ捨てるように別れを決めてしまうことがあります。
着ているときはその温かさに気づかず、ただ重みだけが気になっていたコート。
それを脱ぎ捨てたときはじめて、その重みが自分を守っていてくれたことに気づくということがあるのです。
当たり前のこと
そばにいること、毎日繰り返されることはやがて当たり前となっていきます。
日常の積み重ねが生きるということであり、同じ日常を生きることが男女の結びつきといえるでしょう。
隣で静かに微笑み続ける存在は、そこにある間はその値打ちに気づきません。
当たり前だと思っていたこと。時にどちらでも良いとさえ感じていたこと。
人は当たり前がなくなって初めて、そこにあった当たり前の大きさに気づくのです。
それは...日々の食事が整えられ、生活がゆるぎなくできていた有難さに、一人暮らしをして初めて気づくように。
手離すまでに想像していたことと、実際に経験するのでは大きな違いがあります。
もう戻らないのだ。失って初めてそれに気づいた主人公。
その心に大きな後悔が押し寄せます。
その景色さえ
何もかもが変わって見えていた
いつまでも震えてるその手を温めていたかった
誰かを愛しても 君をまだ思い出にできないから
例えどこへ辿り着いても 君とまた出会えるなら
出典: 今でもずっと/作詞:Spontania・伊藤由奈・Jeff Miyahara 作曲:Spontania・伊藤由奈・Jeff Miyahara
恋をするとその景色が違って見えるように、恋が終わってもまた景色は様子を変えます。
変わりゆく景色の中で、主人公は何を想うのでしょうか。
思い出すこと
誰かのことを思い出す時、それは一連の出来事よりも一瞬の笑顔であったり、においであったりします。
感触もそのひとつで、ふと触れたあの時の指先の冷たさ。
小さな震えがはっきりとよみがえることがあるのではないでしょうか。
握りしめた相手の指の感覚がいつまでも主人公の指に残っているように。
相手の指先にも感覚は残っているのかな。
ふとそんなことを考えてしまうことがあります。
互いの指が温もりを求めあっていたあの頃。
あの頃に、もしも戻れたなら。
主人公は叶うはずのない夢を指先でじっと感じているようです。