Tab譜って何?

初心者でも読みやすい楽譜

Tab譜とは、一般的な五線譜とは違う表現で書かれる楽譜の一種です。

Tabは「Tablature」の略で、個別の楽器に合わせて音程や奏法を書く記譜法です。各楽器の演奏者にとっては、パッと見て直感的に演奏の仕方が分かりやすくなっています。楽典などの音楽知識がなくても比較的簡単に読み方を理解できることから、特にギターベースの初心者が曲をコピーしやすい楽譜として人気です。

バンドスコアではTab譜も一般的

邦楽洋楽人気曲単位やアーティストのアルバム単位で発売されているバンドスコアでもTab譜は一般的です。バンド向けに発売されている大抵のスコアには、五線譜と並んでTab譜での表記もあります。

バンドを始めたいけど楽譜なんて読んだことないし読めない!」と悩んでいる人も、Tab譜ならきっとすぐに読めるようになれます。

このTab譜の普及がバンド楽器に親しむハードルを低くしてくれていることも、バンド文化、音楽文化の普及に一役買っていると言えるのではないでしょうか。

Tab譜の読み方 ベース編の画像

Tab譜の読み方

Tab譜の読み方 ベース編の画像

五線譜との違いは?

Tab譜の五線譜との最大の違いは、「音程を表示しているか否か」でしょう。一般的な楽譜である五線譜は、最初に調(キー)が書かれ、それぞれの音符は音程を表しています。なので楽譜を見てすぐに調が理解でき、それを踏まえて音符の音程を読み取れる知識が必要になります。

それぞれのキーを覚え、その構成音なども理解する必要があるので、初心者にはハードルがグッと高い作業になるでしょう。

それに対してTab譜は、「押さえる弦・フレット」が直接書かれています。なので音符の長ささえ分かるなら、パッと見て「どの弦のどのフレットを押さえればいいのか」がすぐ理解できるようになっています。

キーやスケールなどの知識を必要とする五線譜と比べて、音符の長さを把握できればほぼ読めるTab譜は圧倒的に初心者に向いていると言えます。

Tab譜の読み方を覚えよう


Tab譜は、五線譜と同じように1小節ずつ区切られた線上に数字が記されています。

ベースの弦は基本的に4本なので線の数も4本、5弦ベースの演奏を想定している場合は5本線が弾いてあります。この線が下から順に「(5弦、)4弦、3弦、2弦、1弦」を表しています。

そして線の上に描かれている数字が、その弦の押さえるべきフレットです。一番下の線に「5」と数字があれば、4弦の5フレットを押さえて鳴らす、ということになります。

Tab譜の基本的な読み方はたったのこれだけです。数字の上に縦線があり、それで音符の長さ(8分音符や4分音符など)を表現しているので、その長さだけは理解する必要があります。ですが、学校の音楽の教科書などにも解説が載っている知識なので決して難しくはないでしょう。

Tab譜を読むコツ

Tab譜の読み方 ベース編の画像

たくさん読んで慣れることが大切

Tab譜の記述方式が分かって、音符の長さなども読みとれるようになっても、すぐにスラスラとTab譜を読みながら理解するのは難しいでしょう。

少しずつ読んで実際に弾いてみて、曲と合わせて……と、慣れないうちは地道に一歩ずつコピーすることになります。

ここは努力が必要な部分です。まずはあまり複雑じゃない曲から選んで、数曲Tab譜を見てベースラインをコピーしてみましょう。

行き詰る部分があったらその曲はそこまでで止めても構いません。まずは無理のない範囲で量をこなすことが大切です。

楽譜も言葉の一種なので、英語などの語学と同じようにたくさん触れて慣れるのが一番の上達の道です。

読みながら弾いてみよう

少しTab譜を読むのに慣れたら、曲を流して、Tab譜を読みながらリアルタイムで合わせて弾くのも良い練習になります。

楽譜の少し先の部分をパッと見て音符や弦・フレットの音を頭の中に思い浮かべて、流れる曲に合わせて即座に弾く、という中々難しい作業です。ですが、これができるようになれば曲をコピーする力が格段に上がって、音楽についての知識や技術も深まります。

まずは一度コピーしたTab譜を見ながら曲を弾いてみて、パッと見た楽譜を即座に理解する、という経験を積むことから始めてみましょう。

 

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