19「あの紙ヒコーキ くもり空わって」

往年の名曲!

【19/あの紙ヒコーキ くもり空わって】歌詞に込められた意味を考察!切ない別れがテーマだった?!の画像

「あの紙ヒコーキ くもり空わって」は、1999年3月20日にリリースされた19の2枚目のシングルです。

19と言えば、この曲と言っても過言ではないくらい彼らの代表曲として名高い名曲です。

売り上げ枚数は100万枚を越え、オリコン週間チャートでは6位、さらに1999年度の年間チャートでは38位という高記録を叩き出した大ヒット作品となりました。

元々は、シングルのB面に収録される予定だったそうですが、完全にA面にして良かったのではないでしょうか。

また、それだけの大ヒット、話題になったきっかけとしては、1999年の春にTBSの「1999・春」キャンペーンソングに起用されたことがきっかけだそうです。

それにより、無名だった彼らの正体を知りたいという問合せが殺到し、彼らの知名度は一気に上昇しました。

これまでのフォークとは一味違った、新世代のネオフォークという新しいジャンルを確立した1曲でもあり、多くの若者を音楽の道へ引きずり込んだ青春の1曲ではないでしょうか。

アルバム「音楽」に収録!

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また、この楽曲1999年7月23日にリリースされた彼らの1枚目のアルバムである「音楽」の9曲目に収録されました。

急上昇した知名度、そして、新世代の風が後押しをし、オリコン週間チャートでは2位という好成績を残しています。

ちなみに筆者が最初に買ったCDも19であり、この頃はみんな19を聴いていた記憶があります。

「音楽」という攻めたタイトルですが、実は読み方は「ことば」と読みます。

当時の若者の心を上手に掴む巧みな言葉のチョイスが惜しみなく注ぎ込まれた楽曲が詰め込まれたアルバムになっており、日本の音楽史に残る名盤と言っても過言ではないでしょう。

それでは、次にそんな「あの紙ヒコーキ くもり空わって」の歌詞について触れていきましょう。

切ない別れがテーマだった?!

歌詞は326が担当!

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19と言えば、岡平健治と岩瀬敬吾の2人組デュオのイメージが強いですが、実は3人組なんですよね。

もう1人のメンバー326です。

イラストレーターとして活動していた彼は下北沢のライブハウスで2人と出会い、ビジュアル面や作詞の担当として19が結成されたそうです。

メインでメディアに出ていたり、歌っている2人がフィーチャーされるのは当然のことで、あまり知られていない事実かもしれません。

しかし、この「あの紙ヒコーキ くもり空わって」はもちろん、多くの楽曲の作詞を担当しており、その歌詞に心を動かされた人はたくさんいるはずです。

それでは、そんな「あの紙ヒコーキ くもり空わって」の歌詞を考察していきましょう。

歌詞に込められた意味を考察!

「元気ですか?」
君はいまも哀しい笑顔してるの?

「大丈夫さ?裏切られる事はもう慣れてるから…。」

出典: あの紙ヒコーキ くもり空わって/作詞:326 作曲:19

まずは、導入部分です。

リスナーに向けて語りかけるかのような導入は、歌詞の世界観に一気に引き込んでくれます。

この導入部分があることによって、リスナーは自分と「君」を重ねて聴くことができます。

忘れられない辛い経験や悲しい過去は誰でも持っていることでしょう。

そんな経験を経て、今の自分はどんな自分になっているのでしょうか。

「元気ですか?」と優しく聞いてくれる言葉に対して、ちょっと冷たい言葉で返していることからは今でも苦しい現実と戦っていることが窺えます。

「今では空が笑わないから
ボクは「笑い方」を忘れてしまったよ…。」
君はつぶやき そして笑う…。

出典: あの紙ヒコーキ くもり空わって/作詞:326 作曲:19

そして、そんな君の寂しさがさらに描写されていきます。

また、ここの歌詞で印象的なフレーズは「空が笑わない」というフレーズです。

これは一体何を表現しているのでしょうか。

「空」は憧れや夢、理想の象徴と捉えることができます。

そんな「空」が「笑わない」のですから、夢や理想が自分に微笑んでくれない状態、つまりなかなかその夢を叶えることができない状態を表していると考えることができます。

このように考えると「笑い方」を忘れてしまったというフレーズからは、夢に向かってどのように進んでいっていいのか迷いが生じていることが感じ取れます。

さらに、最後の「笑う」からは、そんな自分を皮肉るような印象を受けます。

このように「笑う」という一つのフレーズを巧みに使いこなした素晴らしい歌詞になっています。

「さぁ 顔上げて?」

出典: あの紙ヒコーキ くもり空わって/作詞:326 作曲:19

しかし、そんな皮肉たっぷりの「君」にも優しく語りかけてくれるのがこの楽曲の歌詞の魅力です。

「顔上げて」と、苦しくても前を向いて夢に向かって進んでいく強い気持ちを与えてくれる歌詞と共にサビに入っていきます。

夢を描いた テストの裏
紙ヒコーキ作って 明日になげるよ。
いつか… このくもり空わって
虹を架けるはずだよ? みんなをつれてくよ?

出典: あの紙ヒコーキ くもり空わって/作詞:326 作曲:19