19/Rude-α feat. GOTO(DALLJUB STEP CLUB)のカッコいいPVを紹介

沖縄県出身の若手ラッパーで2016年に上京、まだ20歳の大型新人です。

高校生ラップ選手権に出場歴があって、かなりの実力派であることは確かでしょう。

10代～20代の心情や葛藤を代弁してくれる力強いラップの技術は非常に巧妙でリズムが良く、同世代から圧倒的な支持を集め始めています。

とくにポップで軽やかなメロディーラインに共感のできるラップがのせられるため、同世代にとって親しみやすい曲調が多いのが特徴といえます。

2017年以降は活動の幅を広げ、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションを展開。

今年２月には新作CDがリリースされ、これからますます注目を浴びそうな存在です。

さて、今回の「１９」でドラムを担当しているのは、DALLJUB STEP CLUB（以下ダルジャブ・ステップ・クラブ）というバンドに所属している“GOTO”です。 

ダルジャブ・ステップ・クラブは2012年に結成されたバンドで、型にはまらない多様な音楽ジャンルで活動をしています。

異空間を漂っているような感覚に陥る不思議な旋律でありながら、クラブシーンをリードするようなテンポの良さを合わせもったメロディーが印象に残ります。

その中でも、“GOTO“の技術には目を見張るものがあります。

繊細で高速なドラムをテクニカルにこなす実力派で、その見事なドラムさばきたるや、芸術的としか言いようがありません。

そんな次世代に名を残す実力派の２人がコラボした曲が「１９」です。

２０１６年９月に発売された「I LOVE MC BATTLE」に収録されたフューチャリング曲となっています。

 体育館のようなほどよく広い空間の中に、決して明るくはない照明。

周りを取り囲むようにして、ノリノリで二人のセッションを応援する大勢の観衆。

Rude-αとダルジャブ ・ステップ・クラブの“GOTO“は、お互いと向き合う形でセッションをしていきます。

時折ドラムの“GOTO“や周りの観衆がフェードアウトしていくことによって、一層ラップが引き立てられます。

ラップのリズムと一体化した映像には、途中断片的に切れる部分があったりと、初めから終わりまで変化に富んでいます。

“GOTO”のドラムとRude-αのラップ。まずその見事に息の合ったコンビネーションに見入ってしまいます。

思わず体がリズムを取ってしまう軽妙なドラムのサウンドに、Rude-α渾身のラップがまさに絶妙に重なっていきます。

ベースやドラムなど、通常の音楽においては欠かせない要素が見事に取り除かれ、ひたすらシンプルさのみを追求したサウンドとなっている点に注目です。

音がどこまでもクリアなので、ドラムの「実験」のような意味合いも感じられる作品ともいえるのかもしれません。

本来であれば花形というよりも、縁の下の力持ちのような存在のドラムが、“GOTO“の技術にかかると、ラップと同じくらい目立ってしまいます。

まさにこのPVではRude-αと“GOTO“が対等に渡り合っているわけです。

聞いていてとても心地の良いサウンドは終始耳から離れることがありません。

まとめると、ドラムとラップだけのシンプルな世界観と、その２つの圧倒的なコンビネーションが織りなす高度な技術。

最初から最後まで一発勝負のような気の抜けない演奏から目を離せません。

「19」はその当時のRude-αの年齢を表しているようです。

彼が自身の半生を振り返り、決意を新たにする内容となっています。

音楽やラップにめざめたきっかけ、上京した経緯、東京へ出る夢。

しかし周りからの理解が得られないことへの苛立ち、それを覆そうという固い覚悟など、複雑な心境の変化が語られていきます。

そこには当然、常に不安が付きまとい、自信をなくすことさえある。

それでも最後には気持ちを新たにする、非常にストーリー性のあるものとなっています。