歌は誰のものでもない

Belle【歌よ】歌詞の意味を考察!歌は何を導いてくれるの?あなたがいなくなった世界の正解を深読みの画像

「歌よ」の楽曲は、話題映画のキャストとして登場するBelleが歌っているものです。

作品は、仮想現実と実際の現実の狭間で成長し、葛藤する歌姫のお話。

Belleは伸びやかで調和を感じる歌声で、仮想現実のみならず現実の世界の人々にも影響します。

そんなBelle自身が表現されているのが、この「歌よ」です。

楽曲を制作した中村佳穂は「歌は誰のものでもない」というキーワードを上げています。

歌は、誰か特定のもののために存在しない。

誰かの所有物ならば、特定の人しか使うことができません。

でも「誰のものでもない」のですから、誰もが「歌う」ことができる。

何気なく出る鼻歌も、大人数で声をそろえる合唱も、誰にとがめられるものでもない。

それは「」が「誰のものでもない」からです。

メロディが貫く世界とは

小さなメロディが表現するもの

LALA 歌よ導いて!
こんな小さなメロディが
貫いていく世界が見たいの

出典: 歌よ/作詞:中村佳穂 作曲:Ludvig Forssell

「歌よ」の歌詞は、映画の世界観を感じさせる大変魅力的なリリックが連なっています。

それでは、そんな楽曲の世界を深読みしてみます。

まず、冒頭のリリックです。

「歌」に導かれることを望んでいます。

小さなメロディとは、私が歌うささやかな「歌」という意味でしょう。

たったひとりの、世界の中にいる小さな自分が表現されています。

小さなメロディというのは、歌っている自分が小さいということではありません。

例えば喧騒の中で、「歌」を口ずさんだとしても、他人には聞こえないでしょう。

喧騒の方が大きいからです。

でも、中にはその声を感じる人もいる。

そんな風に、小さな歌声でも、ちゃんと誰かに届く世界のために歌っているのです。

歌によって導かれる先

小さな自分が歌うことには何の影響力もないかもしれない。

世界は大きく、力や権力を持つものではない自分はちっぽけな存在

でも、そんな世界でも歌い続けたい。

例え大きな荒波があっても、恐れず歌い続けていこう。

小さな「歌」も、ちゃんと世界の誰かに届くために。

どうぞ「歌よ」、「導いて」ください。

小さな雨粒には何の力もないように見えるけれど、いつか大きな石を穿つように。

私の「歌」が、いつか世界の希望となることを願う。

例え小さな声であっても、その声が多くの人に届くように、そんな世界が見たい。

つまり、小さな「歌」でも希望を見出せるそんな世界が見たいと表現しています。

あなたのいない未来

何を探しているのか

毎朝起きて 探してる
あなたのいない未来は
想像したくはない 嫌なの

出典: 歌よ/作詞:中村佳穂 作曲:Ludvig Forssell

何気ない日常とは、朝起きたとき当たり前にあるものが、そこにあることです。

それがたとえ一つでも欠けると何気ない日常ではなくなる。

例えば、普段使っている携帯電話や電化製品。

水や電気などもそうでしょう。

そして、愛する家族がいないとき、それも何気ない日常には欠かせません。

当たり前にあるものがないと、探してしまいますね。

このリリックでも、探しています。

それも、毎日です。

大切な人がいない未来、それを考えるのが嫌なほど。

毎朝、起きて探すのですから家族のように本当に大切なものということでしょう。

想像したくないものとは

当たり前に毎日一緒にいたはずの存在がいないとき、どうでしょうか。

寂しいですね。

とても寂しくて、面影でいいからと探してしまうでしょう。

リリックでも毎朝とありますから、毎朝起きてすぐ探してしまうのです。

大切な存在の面影を。

面影でいいから、痕跡でいいから、傍にいて欲しいと思っているのです。

それは、いないと感じたくないから。

その面影すら、身の回りにないと感じてしまいたくないと思っています。

そしてそれすら、想像したくないのです。

もう自分のそばにいない、それを想像することが嫌。

大切な存在のいない未来は想像すらしたくないということでしょう。

正解は何故わからないのか