巫女は立派な龍を嬉しく思うと同時に、まだ手元に居てほしいと思っているようです。
そんな気持ちを諭すように、激しい嵐が吹き荒れます。
手元に引き留めておきたいと思う気持ちには、寂しさ以外にも理由がありそうです。
素直に送り出すことのできない何かがあります。
これから龍は何を行おうとしているのでしょうか。
神の裁き
期待される救い
幽遠(ゆうえん)の裁きの下(もと)に
滅び逝(ゆ)く我らを 救う者
出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫
龍は神として裁きを行おうとしています。
ここで裁かれようとしているのは人です。
危機的状況にあるとき、龍が救いをもたらすという言い伝えがあったのでしょう。
人々は龍の力による救いを期待しています。
韻を踏んだパート
このメロディのパートは曲中に3回登場し、全て同じ読みの言葉で始まります。
陰陽座らしい、異なる字と意味の日本語を上手に使った韻の踏み方ではないでしょうか。
優しく艶のある歌声から、サビへと盛り上がりを見せるパートです。
過ちの結末
繰り返す過ち
永久(とわ)に行き帰す 人の過ちの湖(しお)
贖(あがない) 其(そ)れすらも 被(かぶ)せて
出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫
人が滅びようとしているのは、自分たちの犯した過ちが原因です。
時には気付いて悔い改めようとすることもあります。
しかし、すぐにまた同じ過ちを繰り返してしまうのです。
波が寄せては返すように、繰り返し過ちを犯し続けています。
下される裁き
殉(とな)ふ 浄潔(じょうけつ)は 責めて 餞(はなむけ)の印(かね)
纏(まと)いし 巫(かん)の衣(きぬ)を 染める 光よ
出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫
過ちを繰り返す人に、龍が下した裁きの結果は厳しいものでした。
巫女が気にかけていたのは、この結果を予測していたからなのでしょう。
水を司る龍により、嵐や洪水が起こされます。
龍がもたらしたものは、救いではありませんでした。
この土地に暮らす全ての人が、龍によって滅ぼされるのです。
育ての親である巫女も、例外ではありません。
天罰の稲光が、巫女の装束に反射します。