最後の大サビでは、巫女の人に対する思いが歌われています。
鳴り響く雷は、自分たちの犯した罪を清めてくれる神聖なものです。
今になって救いを求めても無駄だと、人を責めるような物言いにも感じられます。
自分も人でありながら、巫女は龍の思いも感じているのでしょう。
そこには、次は過ちを犯さないようにという願いも含まれています。
龍の正体と人の過ち
龍とは河川の象徴
この曲で歌われている龍とは、何かの象徴であるとも考えられます。
龍の姿と水を司る性質から考察すると、龍とは河川を指しているのではないでしょうか。
河川は生活用水であり、農業にも欠かせない大切なものです。
昔は「水神」として神社を作って祀ることも多くありました。
巫女の一族は神社で祭事を行いながら、代々河川の治水を行っていたのでしょう。
龍の裁きとは、嵐によって河川が氾濫し洪水が起こることと推測できます。
普段は穏やかで幼い龍のようだった河川が、水かさを増して荒れ狂います。
人が築き上げた全てを無に帰すような水の流れを、龍に例えたのではないでしょうか。
人の過ちは自然破壊
寄り臥(ふ)せ
此の星を喰らい 廻る 生命(いのち)よ
出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫
人が犯し続けた過ちの内容は、最後の歌詞から推測できます。
地球を犠牲にして生きているのが人なのです。
すなわち、人の過ちとは自然や環境の破壊ではないでしょうか。
自然破壊は、洪水や地滑りなど天災を誘発することにもつながります。
人の繁栄のために自然を犠牲にし、その結果天災によって滅びを迎えるのです。
幻想的な舞台と考えさせられる歌詞
【蛟龍の巫女】の歌詞は、そのまま見れば幻想的な世界が舞台だと受け取ることができます。
しかし、見方を変えれば現在まで続く人の問題に置き換えることもできる内容です。
考えさせられる歌詞が、ヘヴィメタルな曲調と美しい歌声に見事に融合しています。
1度耳にしたら忘れられないような、陰陽座ならではの世界観を楽しめる曲ではないでしょうか。
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