褪(あ)すまで 守り継ぐ 回生(かいせい)の綱を
幣(つい)える寸余(すんよ)に 解き放つ 任(まけ)を

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫

巫女としての使命は、時期がくるまで龍の幼生を守り育てることでした。

その時期とは、人々を救うと言われていた龍の裁きのことです。

ここに至るまでの気の遠くなるような長い時間、代々その使命を受け継いできたのでしょう。

ついにその使命が終わるときがきたのです。

しかし、待っていたのは救いではなく人の滅びでした。

長い怠慢

我が旨に窶(やつ)した 人々の虚礼(きょれい)
万古(ばんこ)の泉が 懈怠(かいたい)を暴(あば)く

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫

人々を救う龍を世話する者として、巫女は龍と共に人々から敬われる存在だったのでしょう。

しかし、長い時間が過ぎる中で敬う気持ちは形だけになっていきました。

その様子を、龍はずっと見てきたのです。

裁きの結果は、人々の怠慢が呼んだものだったのでしょう。

受け入れた決断

悠遠(ゆうえん)の堕胎の如き
驕(おご)り呉(く)る我らを 燃やせ

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫

巫女は裁きの結果を受け入れています。

長い間、人は自らの首を絞めるような行為を繰り返してきたのです。

龍の救いがあるから大丈夫と、調子に乗っていたのではないでしょうか。

悪いのは自分たち人なのだと巫女にはわかっています。

ずっと龍を見守ってきたからこそ、下された決断を誰よりも重く受け止めているはずです。

人は滅びるべき罪を犯したのだと感じてるのでしょう。

世界の終わり

恐ろしく美しい光景

優婉(ゆうえん)の焔(ほむら)の如く
滅び逝(ゆ)く我らを 灰にして

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫

龍の裁きが下る前から、人は滅びに向かって進んでいました。

ついに終わりのときがやってきたのです。

人が存在していた痕跡も残らないのでしょう。

の中で裁きの雷が降り注ぎます。

世界の終わりは、恐ろしいけれどどこか美しさも感じられる光景です。

巫女の最期

纏(まと)いし 巫(かん)の衣(きぬ)が 朱(あけ)に 染まりて

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫

続くサビでは巫女の最期が示唆されています。

1度目のサビとほぼ同じ歌詞ですが、巫女の装束が染まる色が変わりました。

龍の裁きによる光を受けていた装束は、朱色になっています。

恐らく出血によるものなのでしょう。

共に生きてきた龍によって、最期の瞬間を迎えようとしています。

人への思い

天を仰げ 満ちる 粛清(きよめ)の威光(ひかり)
崇(あが)めし 鈍(なまくら)は 狂(たぶ)りて
唱(とな)う 救済(すくい)など 渾(すべ)て 砂上(さじょう)の桜(やぐら)

出典: 蛟龍の巫女/作詞:瞬火 作曲:黒猫