『ちびまる子ちゃん』と爆笑問題の夢のコラボ
8年間も『ちびまる子ちゃん』のEDとして放送された曲
アニメ『ちびまる子ちゃん』のEDで未だにこの曲のイメージが根強い人もいるのではないでしょうか。
お笑い芸人の爆笑問題扮する「爆チュー問題」とコラボした「アララの呪文」です。
アニメではなんと2004年から2012年、実に8年間もの間放送されていました。
8年もEDが変わらないなんて、当時でもかなり珍しかったのではないでしょうか。
「呪文」というタイトルの通り、歌詞にはへんてこな呪文が登場します。
作詞はもちろん『ちびまる子ちゃん』の原作者であるさくらももこさん。
彼女の表現する世界観は独特ですが、分かりやすくて誰もが共感できる深さがあります。
「アララの呪文」もまた、多くの人の心に響く要素を持っているのではないでしょうか。
さっそく歌詞に登場する呪文を見てみましょう!
「爆チュー問題」って何のキャラクター?
このEDで爆チュー問題を初めて知った人もいるのではないでしょうか。
大人気お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんが演じる「おおたぴかり」。
そして田中裕二さんが扮する「たなチュー」です。
しかしこの二人は、『ちびまる子ちゃん』のEDのために作られたキャラクターではありません。
元々は番組『ポンキッキーズ』で登場したキャラクターです。
要するに、この曲は夢のコラボ作品ということになりますね。
歌詞とは直接関係ありませんが、このような背景も覚えておくともっと楽しめるでしょう。
日常に潜む呪文
くすっと笑えるへんてこで不思議な呪文。
さくらももこさんらしさを感じさせますね。
それは日常の中で使える言葉です。
しかし「呪文」とはただの言葉の羅列ではありません。
魔法など超自然的な現象を引き起こしたり、精神的な影響を与えたりするものです。
この呪文はどんな効果があるのでしょうか。
どんな呪文?
パヤパパパパヤパパ パヤパヤ
アララ カタブラツルリンコ
パヤパパパパヤパパ パヤパヤ
アララ カタブラツルリンコ
出典: アララの呪文/作詞:さくらももこ 作曲:岡本真夜
冒頭からいきなり何のことか分からない不思議な言葉が登場しました。
もしかして、これが「アララの呪文」でしょうか?
やたら「パ」が多い部分と、ヘブライ語を思わせる「カタブラ」が入った部分の2つに分かれています。
「パヤパヤ」は主に青森県をはじめとした一部地域の方言として使われる言葉です。
「まばら」だとか「うろうろする」という意味で使われているのだとか。
さくらさんがその意味を知っていて呪文にいれたのかは定かではありません。
しかし意味を見ても知っていても不思議ではなさそうです。
次に2行目を見てみましょうか。
有名なヘブライ語「アブラカダブラ」は「祝福」または「呪い」を意味する呪文です。
恐らく歌詞はこの言葉にかけているのでしょう。
前半の「アブラ」は「アララ」と置き換えていると考えられます。
この後ろに視点を持って行くと、なんだかつるっと滑っているような表現ですね。
普段人は何か困ったことが起こった時、「あらら」と言います。
誰かがつるりと滑ってしまった時も、周りの人は思わず「あらら、滑っちゃった」と言うのではないでしょうか。
つまりこの呪文にある「アララ」は2つ意味があると考えられます。
1つが「アブラカダブラ」にかけたもの。
もう1つが滑っている情景を思わせる「ツルリンコ」に対する感嘆詞です。
では1行目と2行目を合わせてみると、「うろうろしていたら、あらら滑ってしまった」という感じになります。
いかにもおかしな言葉ですが、実は呪文とはそういうものです。
言葉の定義を考えると、「なんだそりゃ!」と思ってしまうようなものといえます。
呪文を伝授
ちょいとへんてこだよ 呪文さ
キミに教えてあげるよ
早口ことばでは ないのさ
アララ カタブラツルリンコ
出典: アララの呪文/作詞:さくらももこ 作曲:岡本真夜
先に登場したおかしな呪文を、この曲を聴いているリスナーに伝授してくれるようです。
かなり噛みそうな呪文ですが、別に素早く唱える必要はありません。
教えてくれるのはありがたいですが、この呪文を唱えたら何が起こるのでしょうか。